質問主意書

第219回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一九第八〇号
  令和七年十二月二十六日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員仁比聡平君提出佐賀県警におけるDNA型鑑定に係る不正行為に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員仁比聡平君提出佐賀県警におけるDNA型鑑定に係る不正行為に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、「警察庁による監察の実施について」(令和七年十月二日付け警察庁長官官房首席監察官事務連絡。以下「事務連絡」という。)において、警察庁による佐賀県警察に対する監察(以下「特別監察」という。)を「DNA型鑑定の実施体制とその実施状況」及び「不適切事案の原因分析とそれを踏まえた再発防止策」について実施することとしているところ、こうした事項について監察を行うに当たり必要であることから、特別監察において、平成二十九年六月から令和六年十月までの間にDNA型鑑定(DNA型記録取扱規則(平成十七年国家公安委員会規則第十五号)第二条第三号に規定するDNA型鑑定をいう。以下同じ。)において不適切な取扱いを行った同県警察本部刑事部科学捜査研究所の職員(以下「対象職員」という。)が、単独で実施した全ての鑑定について確認を行っているものである。

二及び五について

 特別監察については、事務連絡に基づき必要な確認を行っているところ、佐賀県警察が実施した対象職員による不適切な取扱いについての調査(以下「佐賀県警察による調査」という。)の実施状況を含め、現在、特別監察を実施しているところであるため、現時点でお答えすることは困難である。

三について

 御指摘の「事件の受理、終局処分及び被疑者・被告人の身体拘束の判断などに影響を与えた可能性」及びお尋ねの「「事件の受理、終局処分及び被疑者・被告人の身体拘束の判断」へ与えた影響」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、警察庁が公表した「佐賀県警察に対する特別監察の実施状況について(概要)」(令和七年十一月二十七日公表。以下「中間報告」という。)において、これまでに実施した特別監察においては、「事件の犯人を特定し、被疑者として検察庁に送致」「している事件の捜査」において、「対象職員によるDNA型鑑定結果のみで犯人であることを立証している事件はなく、対象職員によるDNA型鑑定結果により、「本来、捜査対象とすべきでない方を捜査対象とした」、「本来、拘束すべきでない方を、拘束した」、「犯人でない方を、被疑者として検察庁に送致した」といった捜査への影響はないことが確認された」とされているところであり、引き続き、「本来、判明するはずの被疑者を判明させることができなかった」といった捜査への支障が生じていないかなどについて、確認を行ってまいりたい。

四について

 お尋ねの「DNA型鑑定の結果を利用して行った取調べ」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。

六について

 お尋ねについては、中間報告が公表された令和七年十一月二十七日時点において、中間報告の参考五「佐賀県警察が不適切と判断したDNA型鑑定(百三十件)の分類表」中、「犯人を検挙している事件に関する鑑定(鑑定結果を送致しているもの:二十一件)」における番号四、五、十二、十三、十六から十八まで及び二十の八件並びに「犯人を検挙している事件に関する鑑定(鑑定結果を送致していないもの:十七件)」における番号十七の一件の計九件の鑑定において、対象職員によるDNA型鑑定の結果として、被疑者とそれ以外の者のDNAが混合して検出されていることが書類等によって確認されている。

 なお、これらの鑑定については、「一通の鑑定嘱託書を受けて行った鑑定を一件として計上し」たものである。

七について

 お尋ねの「警察庁が運用するDNA型記録検索システム」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、警察庁のDNA型データベースへの都道府県警察別のDNA型記録の登録件数については、月ごとの件数を把握していないため、お答えすることは困難である。

八について

 お尋ねの「透明性を持った第三者」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、佐賀県警察による調査の実施状況を含め、現在、特別監察を実施しているところであるため、現時点でお尋ねについてお答えすることは困難である。

九について

 お尋ねの「内容の修正を求めた」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、佐賀県警察本部刑事部科学捜査研究所の職員が実施した鑑定に対して、警察官又は検察官が鑑定結果の修正を求めた事案については把握していない。

十について

 佐賀県警察におけるお尋ねの「DNA型鑑定資料が全量消費された件数」について把握していないため、お答えすることは困難である。

十一について

 お尋ねの「鑑定結果及び検査時の生データ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、佐賀県警察においてDNA型鑑定に係る鑑定書その他鑑定結果又は鑑定に用いた分析機器による分析データその他鑑定の経過等が記録されている書類(以下「鑑定書等」という。)を保管している件数について把握していないため、お答えすることは困難である。

十二について

 お尋ねの「鑑定結果及び検査時の生データ」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、警察庁においては、「DNA型鑑定資料の採取等における留意事項について(通達)」(令和四年四月一日付け警察庁丁鑑発第五百三十九号・警察庁丁刑企発第三十三号警察庁刑事局犯罪鑑識官及び刑事企画課長連名通達)により、鑑定書等については、「将来の公判等に備えて適切に保管し、保管の必要性が失われればこれを廃棄する」よう、全国の都道府県警察に指示しているところであり、各都道府県警察において、これを踏まえた対応が行われているものと認識している。

十三について

 前段のお尋ねについては、警察においてDNA型鑑定に関する不適切な事案が発生していることについては、重く受け止めている。

 中段のお尋ねについては、御指摘の事案は、その発生時期や内容が様々であるところ、お尋ねの「繰り返される理由」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、佐賀県警察におけるDNA型鑑定に関する不適切な事案の発生原因については、特別監察において明らかにしてまいりたい。

 後段のお尋ねについては、全国の都道府県警察に対しては、今後実施する監察等を通じて、各都道府県警察におけるDNA型鑑定の実施状況を確認してまいりたい。

十四について

 御指摘の「捜査機関から独立した「証拠の収集、保管、鑑定を担う第三者機関の設立も検討すべき」」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、警察庁としては、特別監察等を通じて、警察におけるDNA型鑑定が適切に実施されるよう、必要な対応を行ってまいりたい。