質問主意書

第219回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一九第七五号
  令和七年十二月二十六日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員福島みずほ君提出ネットオークションにおけるアイヌ民族の戸籍簿の売買に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出ネットオークションにおけるアイヌ民族の戸籍簿の売買に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「アイヌ民族の戸籍簿」及び「差別を助長する戸籍簿」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「アイヌ民族の戸籍簿と称するものがネットオークションで売買されていた」との報道があったことについては承知しており、現在、関係省庁において事実関係の把握に努めているところである。

二の前段について

 戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第百三十五条は、「偽りその他不正の手段」により、戸籍謄本等の交付を受けた者等に対する罰則を定めたものであるところ、お尋ねの「ネットオークションにおける戸籍簿の売買」については、その意味するところが必ずしも明らかではなく、また、犯罪の成否は、捜査機関により収集された証拠に基づき個々に判断されるべき事柄であることから、同条に定める「偽りその他不正の手段」に該当するかとのお尋ねについてお答えすることは困難である。

二の後段及び四について

 戸籍簿のうち御指摘の「壬申戸籍」は、明治四年に制定された戸籍法(明治四年太政官布告第百七十号)に基づき作成された戸籍簿であり、身分の記載もあるなど、厳重に管理すべきものであることから、令和元年五月二十三日の参議院法務委員会において、政府参考人が「いかなる者に対しても閲覧をさせないこと、またさらに、保存期間を経過したものは廃棄処分とした後、法務局又は市町村において厳重に包装、封印した上保管」していると述べた上で、「壬申戸籍がネットオークションに出品されるなどしていることが判明した場合には、法務省におきましては、出品者等に対して壬申戸籍の性質等について丁寧に説明をして、事情を御理解をしていただいた上で、回収に応じていただけるようお願いをしているところ・・・これまでの事案では、繰り返し丁寧に説明することによりまして出品者等に回収に応じていただいて」いると答弁しているとおりであり、今後もこうした取組を継続していきたいと考えている。

 戸籍簿のうち明治十九年に御指摘の「壬申戸籍」から様式が変更されて以降のものについては、一般に流通した事例が確認されておらず、お尋ねの「規制の対象とすること」については検討していない。

 また、御指摘の「アイヌ民族の戸籍簿」の意味するところが明らかではないため、「出品者の特定及び戸籍簿の回収を速やかに行い、規制の対象とすることを検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい」及び「政府はどのように回収を行い、再発防止に努めるか」とのお尋ねについてお答えすることは困難である。

三について

 特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号。以下「法」という。)において、法第二条第十四号に規定する大規模特定電気通信役務提供者は、その提供する大規模特定電気通信役務(法第二十条第一項に規定する大規模特定電気通信役務をいう。以下同じ。)を利用して行われる特定電気通信による情報の流通に関し、法第五章に規定する義務を負い、法第三十条の規定により、法第二十二条、第二十四条、第二十五条、第二十六条第一項若しくは第三項、第二十七条又は第二十八条の規定に違反していると認められるときは、総務大臣による勧告及び命令の対象となる。ここでいう大規模特定電気通信役務について、法第二十条第一項第三号は「当該特定電気通信役務が、その利用に係る特定電気通信による情報の流通によって権利の侵害が発生するおそれの少ない特定電気通信役務として総務省令で定めるもの以外のものであること」と定めており、特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律施行規則(令和四年総務省令第三十九号)第八条第六項第一号において、法第二十条第一項第三号の総務省令で定めるものとして、「不特定の利用者間の交流を主たる目的としたものでないもの」と規定しているところ、御指摘の「Yahoo!オークション」は、「不特定の利用者間の交流を主たる目的としたものでないもの」に該当するため、現時点において、大規模特定電気通信役務に該当せず、法第五章の規定は適用されないことから、法第三十条の規定による総務大臣による勧告及び命令の対象とはならないものと考えている。