質問主意書

第219回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一九第六四号
  令和七年十二月十九日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員ラサール石井君提出大阪・関西万博における工事費等の未払被害等の救済及び責任糾明に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員ラサール石井君提出大阪・関西万博における工事費等の未払被害等の救済及び責任糾明に関する質問に対する答弁書

一について

 令和七年四月十三日から同年十月十三日まで開催された国際博覧会(以下「博覧会」という。)に係る御指摘の「パビリオン建設」に関しては、博覧会の運営者である公益社団法人二〇二五年日本国際博覧会協会(以下「博覧会協会」という。)と参加国との間で締結された参加契約書(以下「参加契約書」という。)第一条において、全ての参加国に対して、日本において適用される全ての法令を遵守することとされており、お尋ねの「工事費等の未払」を防ぐ一義的な責任は参加国にあるものと承知している。その上で、これまでも、博覧会協会は、博覧会国際事務局(以下「BIE」という。)において承認された特別規則第四号第十八条三に基づき、参加国の「パビリオン建設」における請負事業者等に法令等を遵守させることを全ての参加国に対して求めていると認識している。また、政府としては、博覧会協会及び地方公共団体と一体となって、請負事業者等から相談を受け付ける体制を整備しており、引き続き、博覧会の会場の建設工事に係る個別の契約の問題解決に向けて後押ししていく。

二について

 御指摘の「工事費等の未払被害」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。その上で、御指摘の「パビリオン建設」は、参加国がその責任において元請事業者を選定し、元請事業者と下請事業者との間で、工期、金額、作業内容などの条件について合意した上で実施されたものであるため、個別の契約の問題については、一義的には当事者間で解決がなされるべきものであると認識している。また、政府としては、博覧会協会及び地方公共団体と一体となって、請負事業者等から相談を受け付ける体制を整備しており、引き続き、博覧会の会場の建設工事に係る個別の契約の問題解決に向けて後押ししていく。

三について

 御指摘の「本来受け取るはずであった工事費」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「代位弁済」は、令和七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律(平成三十一年法律第十八号)に規定されておらず、博覧会協会がお尋ねの「代位弁済」を行うことは想定されていない。また、政府としては、お尋ねの「このような代位弁済を不可能とする」「法的根拠」について、網羅的にお答えすることは困難であるが、現時点において政府がお尋ねの「このような代位弁済を不可能とする」「法的根拠」は存在しないと考えている。その上で、二についてで述べたとおり、御指摘の「パビリオン建設」に係る個別の契約の問題については、一義的には当事者間で解決がなされるべきものであると考えているため、政府が、当事者間の合意に至っていない御指摘の「工事費等の未払」について、お尋ねの「代位弁済」を積極的に行う立場にはないと認識している。政府としては、博覧会協会及び地方公共団体と一体となって、請負事業者等から相談を受け付ける体制を整備しており、引き続き、博覧会の会場の建設工事に係る個別の契約の問題解決に向けて後押ししていく。

四について

 前段のお尋ねについては、令和七年十月七日の博覧会協会の臨時理事会において、「現時点の残額は六十八億円」と示されていると承知している。

 後段のお尋ねについては、二についてで述べたとおり、御指摘の「パビリオン建設」に係る個別の契約の問題については、一義的には当事者間で解決がなされるべきものであり、政府及び博覧会協会が、当事者間の合意に至っていない御指摘の「工事費等の未払」に「同予備費」を「充てること」を積極的に行う立場にはないと認識している。その上で、政府としては、博覧会協会及び地方公共団体と一体となって、請負事業者等から相談を受け付ける体制を整備しており、引き続き、博覧会の会場の建設工事に係る個別の契約の問題解決に向けて後押ししていく。

五について

 お尋ねの「工期の管理」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「工期」については、契約の当事者間の合意に基づくものであると認識しており、また、建設業法(昭和二十四年法律第百号)第十九条の五において、「注文者」は「著しく短い期間を工期とする請負契約を締結してはならない」と定められているため、御指摘の「パビリオン建設」に係る「工期」については、一義的には、参加国及び請負事業者等に責任があるものと承知している。その上で、参加契約書第一条において、全ての参加国に対して、日本において適用される全ての法令を遵守するよう求めており、その上で、博覧会協会は、参加国に対して、関連法令等を遵守するよう周知したと承知している。

六について

 御指摘の「大手ゼネコンがパビリオン建設工事の契約に後ろ向きだったため建設に遅れが生じ」及び「中小建設企業に協力を要請したことで建設が間に合った」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、政府としては、お尋ねの「パビリオン建設」は、参加国がその責任において元請事業者を選定し、元請事業者と下請事業者との間で、工期、金額、作業内容などの条件について合意した上で実施されたものと承知しており、また、個別の参加国の「パビリオン建設」の工法等により、その「工期」は様々であり、一概にお答えすることは困難である。

七について

 御指摘のような報道があったことは承知しているものの、お尋ねについては、その詳細な事実関係が明らかではないことから、お答えは差し控えたい。その上で、政府としては、参加契約書第一条において、全ての参加国に対して、日本において適用される全ての法令を遵守するよう記載されているものと承知しており、また、博覧会協会は、参加国に対して関連法令等を遵守するよう周知したと認識している。

八について

 前段のお尋ねについては、その詳細な事実関係が明らかではないことから、お答えは差し控えたいが、後段のお尋ねについては、政府は、労働基準監督署において、労働基準関係法令違反がある場合には、その改善に向けて必要な指導を行っているが、個別の事業場に対する労働基準監督署の指導内容については、これを公にすることにより、労働基準関係法令を遵守させるための監督指導等の事務の性質上当該事務の適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。なお、政府としては、御指摘の「パビリオン建設現場」において、博覧会協会等が巡回などを実施し、労働基準関係法令違反がないよう周知、要請等を行ったことを把握している。

九について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「パビリオン建設」においては、当事者間で「意思疎通」を行うべきものであり、その支援については、一義的には参加国に求められるものであると認識している。その上で、政府が御指摘の「日本企業」から「参加国・海外企業」との「意思疎通」に関連する相談を受けた際は、「参加国・海外企業」と直接対話するなどして、御指摘の「パビリオン建設」が円滑に進むよう支援を行ってきたと承知している。

 後段のお尋ねについては、一般論として、通訳の確保や、お尋ねの「作業に不備が発生した場合」の責任の所在については、当事者間で協議すべきものと承知している。

十について

 お尋ねの「このような動き」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、BIEにおいて承認された特別規則第二号第九条四において、「参加者に割り当てられた区画は、別段の取決めを開催者と事前に締結していない限り、遅くとも二千二十六年四月十三日までに何もない原状に回復し立ち退き返還しなければならない」と義務付けられており、御指摘の「工事費の支払が完了するまで解体を中止する」か否かの判断は、一義的には、参加国及び御指摘の「解体」の工事の請負事業者等が行うものと認識している。その上で、御指摘の「解体」の工事の進捗にかかわらず、政府としては、博覧会協会及び地方公共団体と一体となって、請負事業者等から相談を受け付ける体制を整備しており、引き続き、博覧会の会場の建設工事に係る個別の契約の問題解決に向けて後押ししていく。

十一について

 お尋ねについて、第二十回アジア競技大会(二○二六/愛知・名古屋)及び愛知・名古屋二○二六アジアパラ競技大会に関しては、御指摘の「GL社」は、公益財団法人愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会から、競技会場の設営及び運営に係る支援業務を受託していると承知しており、「愛知・名古屋アジア競技大会及び愛知・名古屋アジアパラ競技大会に関する件」(令和七年十一月二十六日衆議院文部科学委員会決議)の二において、「組織委員会から業務を受託した業者が更に当該業務を他の業者に委託する場合など数次委託が行われ、又は見込まれる場合において当事者間における紛争の適切な予防・解決を確保するための措置を講ずるとともに、国民への情報公開・説明を行うことを、組織委員会に対して求めること。」とされていることも踏まえ、適切に対応してまいりたい。

 また、二〇二七年国際園芸博覧会に関しては、御指摘の「パビリオン建築代行を受託している」事実はないが、御指摘の「GL社」は、公益社団法人二〇二七年国際園芸博覧会協会(以下「協会」という。)が参加者に代わり仮設建築物の設計、建築等を行うサービスにおいて、仮設建築物を供給する事業者として、協会が認定した一社であると承知している。政府は、仮設建築物の供給に係る契約の当事者ではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、当該サービスについては、協会において適切に運用されるべきものであると考えている。

十二について

 御指摘の「大阪・関西万博で工事費等の未払が発生した背景には、工事が多重委託構造になり、建設業の許可を受けていない事業者が中間に入り込んでいたことがある」の具体的に意味するところが明らかではなく、これを前提としたお尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、建設業法第三条第一項に基づき建設業の許可を行う国土交通大臣及び都道府県知事は、契約の当事者間で契約内容についての見解に相違がある場合には、同法等に基づき、当事者間での解決に向けた必要な措置をとるよう促すこととしており、また、同法に違反する行為が確認された場合は、建設業の許可を行う同大臣及び都道府県知事において、必要な指導監督を行っているところである。