第219回国会(臨時会)
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内閣参質二一九第六一号 令和七年十二月十九日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員齊藤健一郎君提出ディープフェイク広告対策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員齊藤健一郎君提出ディープフェイク広告対策に関する質問に対する答弁書 一について 前段のお尋ねのうち、「通報」の件数及び「金銭的被害」については、政府として網羅的に把握しておらず、お答えすることは困難であるが、例えば、警察庁において把握する限り、いわゆる「SNS型投資詐欺」のうち、インターネットバナー広告等の広告を相手方に接触する端緒とするものの認知件数は、令和六年が二千九百一件、令和七年一月から同年十月末までが二千七百七十七件であり、その被害額は、令和六年が約四百二億六千万円、令和七年一月から同年十月末までが約三百八十三億四千万円である。また、前段のお尋ねのうち、「削除要請件数」及び「削除対応率」については、政府として把握しておらず、お答えすることは困難である。 後段のお尋ねについては、「これらを定期的に把握する体制」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、政府としては、必要な体制を確保した上で、インターネット上の違法な広告に関する実態把握に努めており、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。 二について お尋ねの「当該広告特有の問題に十分な対応ができない」及び「生成元特定の困難性、拡散の即時性、本人同意の有無を確認する制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、御指摘の「当該広告」が、不当景品類及び不当表示防止法(昭和三十七年法律第百三十四号。以下「景品表示法」という。)若しくは特定商取引に関する法律(昭和五十一年法律第五十七号。以下「特定商取引法」という。)に違反するか否か、不正競争防止法(平成五年法律第四十七号)第二条第一項に規定する「不正競争」に該当するか否か又は特定電気通信による情報の流通によって発生する権利侵害等への対処に関する法律(平成十三年法律第百三十七号)第二条第八号に規定する侵害情報送信防止措置の対象になるか否かは、個別具体的な事情により判断すべき事柄であるが、それぞれの法律を踏まえて対処しているところである。 三について お尋ねの「広告に登場する人物」、「デジタル署名」及び「任意の本人同意確認の仕組み」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、景品表示法第五条においては、事業者が「自己の供給する商品又は役務の取引について」行う不当な表示が禁止されているほか、特定商取引法第十二条においては、「販売業者又は役務提供事業者は、通信販売をする場合の商品若しくは特定権利の販売条件又は役務の提供条件について広告をするときは、当該商品の性能又は当該権利若しくは当該役務の内容、当該商品若しくは当該権利の売買契約又は当該役務の役務提供契約の申込みの撤回又は解除に関する事項(第十五条の三第一項ただし書に規定する特約がある場合には、その内容を含む。)その他の主務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。」と規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から新たな制度を設けることは検討していない。 なお、本人確認の方法の一つである電子署名(電子署名及び認証業務に関する法律(平成十二年法律第百二号)第二条第一項に規定する電子署名をいう。)については、同法第四条及び第十五条において、特定認証業務(同法第二条第三項に規定する特定認証業務をいう。)を行おうとする者が認定を受けることができることとされている。 四について お尋ねの「登場する人物の同意が確認できない広告」及び「プラットフォーム各社が自主的に注意喚起表示を行うことができるよう」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところである。また、総務省の有識者会議である「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会」により令和七年九月に公表された「デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会中間取りまとめ」において示されたSNS等における「個人又は法人の氏名・名称、写真等を無断で利用して著名人等の個人又は有名企業等の法人になりすまし、投資セミナーや投資ビジネスへの勧誘等を図る広告」(以下「なりすまし型の偽広告」という。)への対応については、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において、削除基準等の策定、公表等の取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況について「デジタル広告の流通を巡る諸課題への対応に関するモニタリング指針」(令和七年九月デジタル空間における情報流通の諸課題への対処に関する検討会公表。以下「モニタリング指針」という。)を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところである。現時点では、SNS等におけるなりすまし型の偽広告について、著名人へのなりすましの防止の観点から新たなガイドライン等を定めることは検討していない。 お尋ねの「この広告の登場人物については本人確認が行われていません」の有効性については、政府として検討を行っていないため、お答えすることは困難である。 五について お尋ねの「プラットフォーム各社が当該広告に迅速に対応できるよう」、「技術的基準、判断枠組み、注意喚起表示の方法など」、「プラットフォーム各社の実務負担を軽減する制度」及び「本人の同意が確認されていない広告に対してプラットフォーム各社が自主的に対応できるよう」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から新たな制度を設けることは検討していない。 また、SNS等におけるなりすまし型の偽広告への対応については、四についてで述べたとおり、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況についてモニタリング指針を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところであり、現時点では、著名人へのなりすましの防止の観点から支援策を講ずることは検討していない。 六について お尋ねの「プラットフォーム各社が迷うことなく適切に対応できるよう」、「削除要請の判断基準、手続、連絡体制の統一化等」及び「プラットフォーム各社の事務負担を軽減する制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から、お尋ねの「対応体制」を含めた新たな制度を設けることは検討していない。 また、SNS等におけるなりすまし型の偽広告への対応については、四についてで述べたとおり、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況についてモニタリング指針を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところであり、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。 七について お尋ねの「当該広告に特化した新たな法制度又は既存法の横断的改正」、「本人同意確認、注意喚起表示、プラットフォーム各社の対応基準、削除手続の迅速化を包括的に定める仕組み」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、三についてで述べたとおり、景品表示法第五条及び特定商取引法第十二条において禁止行為について規定されているところであり、政府としては、現時点では、これらの法令において、著名人へのなりすましの防止の観点から新たな制度を設けることは検討していない。 また、お尋ねの「それぞれの必要性」については、政府として検討を行っていないが、いずれにせよ、SNS等におけるなりすまし型の偽広告への対応については、四についてで述べたとおり、SNS等を提供する大規模なプラットフォーム事業者において取組がそれぞれ行われており、政府においては、その状況についてモニタリング指針を作成し、それに基づきモニタリングを実施しているところであり、引き続き、こうした取組を進めてまいりたい。 |