第219回国会(臨時会)
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内閣参質二一九第五四号 令和七年十二月九日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員高良沙哉君提出高市内閣総理大臣の所信表明演説における「基地負担軽減」発言に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員高良沙哉君提出高市内閣総理大臣の所信表明演説における「基地負担軽減」発言に関する質問に対する答弁書 一及び二について お尋ねの「米軍関係者及び日本に一時的に滞在する外国軍関係者による犯罪について、日本の捜査機関が逮捕、書類送検していない事件」の意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難である。その上で申し上げれば、日米間では、アメリカ合衆国軍隊の構成員若しくは軍属又はそれらの家族(以下「合衆国軍隊構成員等」という。)による事件・事故について、例えば、平成九年三月三十一日の在日米軍に係る事件・事故発生時における通報手続に関する日米合同委員会合意においては、事件・事故の発生日時、発生場所等について、米国政府の当局が、我が国政府の当局に対し、直ちに通報することとされており、同合意等に基づき適切に情報共有が行われるものと認識している。 いずれにせよ、合衆国軍隊構成員等による事件・事故は本来起きてはならないものであり、政府としては、米側に対して、綱紀粛正等を随時働きかけており、こうした事件・事故の防止に向けて、引き続き、米側とともに取り組んでまいりたい。 三について 政府としては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第二十五条1に基づいて設置された日米合同委員会の枠組みの中で、平成十六年から平成二十五年までの各年の三月末時点の在日米軍施設及び区域の内外に居住する合衆国軍隊構成員等の人数について、米側から情報の提供を受けており、平成十九年から平成二十五年までの各年の三月末時点の合衆国軍隊構成員等の人数については、日米間で調整の上、アメリカ合衆国軍隊の活動に支障を及ぼすおそれがあるものを除き、可能な範囲で公表してきたところである。 一方、平成二十六年以降の合衆国軍隊構成員等の人数については、米側から、国際社会におけるアメリカ合衆国軍隊に対する脅威により、より厳しい考慮が必要であるとして懸念が示され、情報の提供がなされていないため、お尋ねの「基地外に居住する米軍関係者の人数について、最新の情報」をお答えすることは困難である。 その上で、合衆国軍隊構成員等による事件・事故は本来起きてはならないものであり、政府としては、米側に対して、綱紀粛正等を随時働きかけており、こうした事件・事故の防止に向けて、引き続き、米側とともに取り組んでまいりたい。 また、我が国政府及び地方公共団体に対し、お尋ねの「基地外に居住する米軍関係者に関する情報」を含む合衆国軍隊構成員等の人数に係る情報の提供がなされていない状況を踏まえ、当該情報の取扱いについて、引き続き米側と協議していく考えである。 四について 前段及び中段のお尋ねについては、御指摘の「特別許可制度」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、一般論として申し上げれば、アメリカ合衆国軍隊が米国の法令に基づいて行う処分については、政府としてお答えする立場にない。その上で、合衆国軍隊構成員等の我が国への入国及び我が国からの出国に当たっては、日米地位協定第九条の規定に基づいて適切に手続がとられている。 後段のお尋ねについては、御指摘の「米軍関係者が国内で犯罪を起こした場合、海外における過去の犯罪歴」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、日米地位協定第十七条6(a)において、「日本国の当局及び合衆国の軍当局は、犯罪についてのすべての必要な捜査の実施並びに証拠の収集及び提出・・・について、相互に援助しなければならない」とされている。 |