質問主意書

第219回国会(臨時会)

答弁書

内閣参質二一九第四六号
  令和七年十一月二十八日
内閣総理大臣 高市 早苗


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石垣のりこ君提出原子力潜水艦の保有の検討に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出原子力潜水艦の保有の検討に関する質問に対する答弁書

一について

 政府として把握している限りでは、令和七年十一月時点で、我が国において、民間企業が御指摘の「原子力を推進力として使用している船舶」を有している事実はない。

 また、海外において、民間企業が有している御指摘の「原子力を推進力として使用している船舶」の数については把握していない。

二について

 お尋ねについては、昭和四十年四月十四日の衆議院科学技術振興対策特別委員会において、愛知科学技術庁長官(当時)が「推進力として原子力の利用が一般化した状況というものが現在においては想像の域を出ない」と答弁しているところ、現時点においてもその認識に変更はない。

三について

 お尋ねについては、令和七年十一月十八日の衆議院安全保障委員会において、小泉防衛大臣が「今、周辺国が原子力潜水艦を持っている。そしてまた、韓国やオーストラリアについては、これからアメリカの協力の下で原子力潜水艦を保有をしていく。だから、日本が持った方がいいと言っているのではなくて、こういった周辺の戦略環境の変化を踏まえた上で、では、日本は、潜水艦として、今までのようなディーゼルなのか、原子力なのか、そういったことも検討する必要はあるという、決め打ちをしているわけではなくて、議論する必要性を私は申し上げております。国民の皆さんにも、こういった日本を取り巻く環境についても、共に認識を近づけるためでも、私は議論は引き続きやはり必要なことだと思っております。」と答弁しているところであり、お尋ねの同月十二日の参議院予算委員会における同大臣の「この半年間の間でも極めて大きな動きがこの我々を取り巻く安全保障環境に更なる負荷を掛けている」との答弁については、我が国を取り巻く安全保障環境の変化全般に対応していく必要性について述べたものである。

四について

 令和七年十一月十八日の衆議院安全保障委員会において、小泉防衛大臣が「安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じる中で、更なる防衛力の強化と変革が必要であります。今後の防衛力の内容につきましては、来年中の三文書の改定に向けて、我が国の主体的判断の下、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか、安全保障環境を踏まえて具体的かつ現実的に議論を積み上げてまいりたいと思います。」と答弁しているところ、お尋ねについても今後議論することとしており、現時点においてお答えすることは困難である。

五について

 原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第二条第一項については、同法制定時の提案理由説明において、広島及び長崎の経験を踏まえ、「第二条は、基本方針をうたっております。その中心は平和目的に限るということであります。つまり軍事的利用は絶対禁止するという意思である」と説明されているものと承知している。