第219回国会(臨時会)
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内閣参質二一九第二五号 令和七年十一月七日 内閣総理大臣 高市 早苗
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員石垣のりこ君提出高市早苗内閣総理大臣による上野賢一郎厚生労働大臣への労働時間規制の緩和検討指示に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員石垣のりこ君提出高市早苗内閣総理大臣による上野賢一郎厚生労働大臣への労働時間規制の緩和検討指示に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねについては、上野厚生労働大臣が令和七年十月二十二日の厚生労働大臣就任に当たっての記者会見において「総理からは、(中略)心身の健康維持と従業者の選択を前提にした労働時間規制の緩和の検討を行うこと(中略)を進めるように指示がありました」と述べているとおりである。 二について お尋ねについて、御指摘の所信表明演説の内容については、閣議で検討を行った上で、最終的に内閣として決定したものであり、御指摘の「指示」は、高市内閣総理大臣から上野厚生労働大臣に対して行われ、令和七年十月二十二日の記者会見において、同大臣が「労働基準関係法制の見直しについては、昨日の総理からの指示も踏まえて、今後、総点検の結果を精査しながら、審議会で議論を深めてまいりたいと考えています」と述べているとおり、今後、厚生労働省において、議論、検討が行われるものであり、両者は異なるものである。 三について お尋ねについては、例えば、令和五年に厚生労働省がPwCコンサルティング合同会社に委託して実施した「労働時間制度等に関するアンケート調査」において、「あなたは残業時間(時間外勤務と休日勤務を合わせた時間)を減らしたいと考えていますか」との質問に対し、「減らしたい」、「やや減らしたい」、「このままでよい」、「やや増やしたい」又は「増やしたい」と回答した労働者の割合は、それぞれ十三・六パーセント、十二・四パーセント、六十三・一パーセント、六・一パーセント及び四・八パーセントとなっており、「増やしたい」及び「やや増やしたい」と回答した労働者の合計の割合は十・九パーセントであるところ、それらの労働者のうち、「残業時間を増やしたい理由は何ですか」との質問に対し、「残業代を増やしたいから」、「自分のペースで仕事をしたいから」、「業務を通じて知識や経験・スキルを高めたいから」、「仕事の完成度や業績をより高めたいから」又は「その他」と回答した労働者の割合は、それぞれ六十七・五パーセント、二十一・二パーセント、十三・八パーセント、十三・二パーセント及び〇・三パーセントとなっている。 四について お尋ねについては、二についてで述べたとおり、令和七年十月二十二日の記者会見において、上野厚生労働大臣が「労働基準関係法制の見直しについては、昨日の総理からの指示も踏まえて、今後、総点検の結果を精査しながら、審議会で議論を深めてまいりたいと考えています」と述べているとおりであり、現時点で予断をもってお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、同日の記者会見において、同大臣が「労働時間規制については、様々な声があることは承知しています。誰もが働きやすい労働環境を実現していく必要性や、上限規制は過労死認定ラインであるということも踏まえて検討する必要があると考えています」と述べているところである。 |