第219回国会(臨時会)
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内閣参質二一九第一一号 令和七年十月三十一日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 木原 稔
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員山本太郎君提出米価格高騰及び米の増産に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員山本太郎君提出米価格高騰及び米の増産に関する質問に対する答弁書 一について 御指摘の「これまでの米価格高騰対策」の具体的に指すところが必ずしも明らかではないが、「米価格」が高騰する中、令和七年三月に一般競争入札により集荷業者に対し「政府備蓄米」の売渡しを実施し、同年五月に随意契約により小売業者等に対し「政府備蓄米」の売渡しを実施するとともに、同年六月に外食事業者等にも随意契約による「政府備蓄米」の売渡しの対象を拡大し、これらの結果として、「米の平均価格」は同年七月二十八日の週には三千五百四十二円まで低下しており、一概に「失敗であった」とは考えていない。一方で、御指摘の「米価格の再高騰」については、集荷業者の間で集荷に係る競争が激化したこと等によるものと考えているところ、令和七年産米の収穫量は平成二十九年以降最大となることが見込まれていることから、御指摘の「米価格の再高騰による消費者負担の増大への対策」として、現在こうした情報等を消費者や市場に対して提供し、米穀の需給及び価格の安定を図っていく考えであり、引き続き、今後の米穀の需給動向等を注視し、これに応じて適切に対応していく考えである。 二について 御指摘の「増産」については、「食料・農業・農村基本計画」(令和七年四月十一日閣議決定)において、米の生産量を令和五年の七百九十一万トンから令和十二年に八百十八万トンに増大させる目標を掲げているとおり、この目標の達成に向け、非主食用米も含めた米の「増産」を図ることを指しており、また、御指摘の「水田活用の直接支払交付金等」のうち、生産者と実需者との連携の下、非主食用米である新市場開拓に向けた米等の生産性向上等に取り組む農業者を支援するコメ新市場開拓等促進事業については、その予算額を「前年度予算よりも九十億円多」く要求していることから、「主食用米以外への転作の奨励と、石破内閣総理大臣が示した増産に舵を切る方針は矛盾する」との御指摘は当たらないと考えている。 三について 御指摘の「中山間地域が切り捨てられる」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「米の増産のため」の「農地の大区画化やスマート農業技術の活用」については、中山間地域においても、地理的条件に応じた農地の区画の拡大や無人航空機を用いた農薬散布等のスマート農業技術の活用を推進するとともに、地理的な制約等によりこれらが困難な場合であっても、労働コストの低減に資する播種の方法等の「新たな農法を通じた生産性向上を図る」ことにより、「米の増産」を推進してまいりたい。 四について 御指摘の「米農家を含む全ての農業従事者に対し安定的に所得を補償する所得補償制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論としては、農業者の所得を補償する施策については、農業経営の改善に向けた取組を妨げる懸念があること等から、御指摘の「法制化」は考えていない。 |