第219回国会(臨時会)
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内閣参質二一九第六号 令和七年十月三十一日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 木原 稔
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員塩村あやか君提出マンションの管理適正化に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員塩村あやか君提出マンションの管理適正化に関する質問に対する答弁書 一の1について 国土交通省においては、無作為に抽出した全国の管理組合(マンションの管理の適正化の推進に関する法律(平成十二年法律第百四十九号)第二条第三号に規定する管理組合をいう。以下同じ。)及びマンションに居住する区分所有者(建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号。以下「区分所有法」という。)第二条第二項に規定する区分所有者をいう。以下同じ。)を対象とした「マンション総合調査」を五年に一度実施し、当該調査において「空室戸数(三ヶ月以上)割合」、「空室のうち、所有者が不明・未連絡の戸数割合」、「総会の開催状況」、「管理規約の有無」等の項目を調査し、マンションの居住や管理の状況等について把握している。 一の2及び三について お尋ねの「二十年、三十年先を見据えた抜本的対策」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、マンションの管理の適正化については、マンションの管理の適正化の推進を図るための基本的な方針(令和三年国土交通省告示第千二百八十六号)にあるように、「管理組合、国、地方公共団体、マンション管理士、マンション管理業者その他の関係者は、それぞれの役割を認識するとともに、効果的にマンションの管理の適正化及びその推進を図るため、相互に連携して取組を進める必要がある」との考え方の下、その推進を図っているところである。 また、第二百十七回国会において成立した老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律(令和七年法律第四十七号。以下「改正法」という。)においては、管理組合の管理者等に対する都道府県知事等による報告徴収等の規定が設けられるとともに、都道府県知事等の請求により区分所有者が不明である専有部分(区分所有法第二条第三項に規定する専有部分をいう。)等を裁判所が選任する管理人に管理させることができる制度が創設されるなど、マンションの管理の適正化を図るための措置が講じられたところであり、政府としては、まずは、当該措置の周知徹底を図るとともにその推進に努めてまいりたい。 二の1について 管理組合はマンションの区分所有者で構成される団体又は法人であることから、その活動は、当該区分所有者において主体的に行われるべきものである。また、区分所有者に対しては、管理組合によるマンションの管理規約の制定又は変更の際に参考として利用されることを目的として国土交通省が策定しているマンション標準管理規約において、「管理組合の構成員として相互に協力」すると明記している。お尋ねの「賃借人」については区分所有者には含まれないものの、マンション標準管理規約において、区分所有者がその専有部分を第三者に貸与する場合には、当該第三者に、マンションの管理又は使用に関する事項等について定めた規約等を遵守させなければならないとしている。政府としては、管理組合及び当該第三者がそれぞれの立場から相互に協力し、マンションの管理が適正かつ円滑に行われるよう、マンション標準管理規約等の周知徹底に努めてまいりたい。 二の2について マンションの管理が当該マンションの区分所有者において適正かつ円滑に行われることは重要であると考えており、令和七年内に改正法の内容に関する説明会を全ての都道府県で開催することとし、現在、順次実施しているところである。また、マンションの管理に関するシンポジウムについては毎年度開催しているところである。政府としては、今後も引き続き、関係者のニーズを踏まえつつ説明会等を実施することにより、区分所有者の責務等の周知徹底に努めてまいりたい。 四について マンションの管理の適正化を図るためには、マンション管理士等の専門家を積極的に活用することが有効であると考えている。改正法においては、管理組合等に対し必要な援助等を行う民間団体をマンション管理適正化支援法人として登録することができる制度が創設されるとともに、都道府県知事等による専門家のあっせん等の措置が規定されたところであり、また、令和七年度当初予算において措置された「マンション総合対策モデル事業」において、地方公共団体が行うマンションの管理状況等の実態調査や管理組合の合意形成のための専門家派遣等の取組を支援しているところである。政府としては、引き続きこれらの施策を通じて、地方公共団体の支援に努めてまいりたい。 |