質問主意書

第219回国会(臨時会)

質問主意書

質問第八二号

マイナ保険証への一本化に係るトラブル及び保険証の切替えが困難な国民に対する支援措置に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年十二月十七日

牧山 ひろえ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   マイナ保険証への一本化に係るトラブル及び保険証の切替えが困難な国民に対する支援措置に関する質問主意書

 マイナ保険証の利用に関しては、従来、医療機関におけるトラブル、保険者情報の不一致によるエラー、デジタルの活用に不慣れな国民の負担増加など、多様な問題が指摘されてきた。健康保険証のマイナ保険証への一本化(以下「一本化」という。)後も国民の医療アクセスが阻害されることのないよう、政府がトラブルを想定し、対策を講じているかを明確にする必要があるため、以下質問する。

一 トラブルの想定について

 認証エラー、保険者情報の不一致、カード未所持者の受診手続、機器故障・通信障害、医療機関の事務負担増加など、政府が一本化の前に想定していたトラブルの種類及び種類ごとのトラブル発生確率の見積りを示されたい。

二 トラブルの発生状況について

 一のトラブルについて、発生件数、発生原因の分析、医療機関及び患者への影響をそれぞれ示されたい。また、当初の政府想定と実際の発生状況に乖離がある場合、その理由及び改善策を示されたい。

三 医療機関の負担軽減策として、システム障害時における従来の健康保険証の暫定使用、資格確認の代替手続及び医療事務に対する支援(財政支援、窓口における混乱防止策)を実施しているか示されたい。また、これらのほかに政府として講じている具体的対策を示されたい。

四 マイナ保険証への切替えが困難な国民への支援措置について

 自治体窓口における代理申請支援、訪問・出張サポート、資格確認書の即時発行及び相談窓口・コールセンターの強化について、政府又は自治体による実施状況を示されたい。また、これらの支援措置の期限及び同期限の延長可能性を示されたい。可能性がある場合、延長するか否かの判断基準について、政府の見解を示されたい。

五 支援措置の効果測定について

 マイナ保険証への切替えが困難であった国民のうち、支援措置によって切替えが完了した人数及び資格確認書によって受診可能となった人数について、それぞれ実績を示されたい。

六 医療アクセスの確保に関する緊急措置について

 一本化後に資格確認ができない患者が発生した場合に備え、政府は緊急措置を講ずる必要があると思料する。従来の保険証を使用可能とする臨時措置、資格確認書を即時発行できる体制の強化、医療機関の受診拒否を禁止する運用等について、現時点における政府の対応状況を示されたい。

七 一本化に要した経費等について

1 今回の一本化に当たって必要となった経費の総額及び内訳(広報経費、支援措置経費、システム改修経費等)を示されたい。また、一本化による利便性向上等の経済効果を示されたい。

2 今後のデジタル化移行の判断に関しては、事前に費用対効果の視点からの検討も行うべきと考えるが、今回の一本化に当たっては、費用対効果の検討を行ったか示されたい。行った場合、その要旨を説明されたい。

  右質問する。