質問主意書

第219回国会(臨時会)

質問主意書

質問第五一号

消費税のいわゆる「益税」に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年十一月二十日

石垣 のりこ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   消費税のいわゆる「益税」に関する質問主意書

 高市早苗内閣総理大臣は令和七年十一月十一日の衆議院予算委員会において、田中健衆議院議員のインボイス制度に関する質疑に対し、「日々の買物で消費者の方々が消費税分として支払ったものが、特例によって実際には全て納税をされず事業者の手元に残る場合がある」と答弁し、渕万里衆議院議員の質疑に対しても同旨の答弁をした(以下「総理大臣答弁」という。)。総理大臣答弁は、消費税のいわゆる「益税」の存在を肯定するものと考える。

 一方、片山さつき財務大臣は同月十四日の参議院予算委員会において、安藤裕参議院議員の「法律上、消費者が負担している消費税というものが税務署に納められなくて益税になるという事象はあるのか」との質疑に対し、「消費者がこの消費税法の納税義務者として書いてないから、法律上そういうことにはならない」と答弁した(以下「財務大臣答弁」という。)。財務大臣答弁は、いわゆる「益税」の存在を否定するものと考える。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 総理大臣答弁と財務大臣答弁では、いわゆる「益税」についての考え方が矛盾していると思料するが、政府の見解を示されたい。

二 いわゆる「益税」について、政府としては、存在する(存在し得る)との見解なのか、それとも、存在しないとの見解なのか、いずれか明らかにされたい。

三 総理大臣答弁における「日々の買物で消費者の方々が消費税分として支払ったもの」及び「特例によって実際には全て納税をされず事業者の手元に残る場合」の金額について、直近五年度分をそれぞれ示されたい。

四 財務大臣答弁における消費税についての考え方は、「日々の買物で消費者の方々が消費税分として支払ったもの」を事業者が預かって納税するものではなく、事業者が売上げに税率を乗じて算出した額を納税するもの、すなわち、事実上の「売上税」であると考える。政府は、消費者が「消費税分として支払ったもの」を事業者が預かっていると考えているのか、見解を示されたい。また、政府は、消費者が「消費税分として支払ったもの」は税金ではないと考えているのか、見解を示されたい。

  右質問する。