第219回国会(臨時会)
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質問第四六号 原子力潜水艦の保有の検討に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年十一月十八日 石垣 のりこ
参議院議長 関口 昌一 殿 原子力潜水艦の保有の検討に関する質問主意書 令和七年十一月十二日の参議院予算委員会において、羽田次郎参議院議員は原子力潜水艦に関する質疑を行った。羽田議員は、原子力基本法(昭和三十年法律第百八十六号)第二条第一項における原子力の研究、開発及び利用は平和の目的に限る旨の規定の解釈として、原子力が殺傷力ないし破壊力としてではなく、自衛艦の推進力として使用されることも、船舶の推進力としての原子力利用が一般化していない現状においては、同じく認められない旨の昭和四十年の愛知揆一科学技術庁長官の答弁等を引用し、小野田紀美内閣府特命担当大臣(科学技術政策)に対して、現在の解釈を質した。これに対して、小野田内閣府特命担当大臣は、「原子力が殺傷力ないし破壊力としてではなく、自衛艦の推進力として使用されることも、船舶の推進力としての原子力利用が一般化していない現状においては、同じく認められないと考えられるとされております。」と答弁した。 一方、小泉進次郎防衛大臣は、「何が一般化になったかなっていないかということは、明確なことはないと思います。」、「原子力の利用が一般化した状況について何かと問われましても、現時点で具体的にお答えすることは困難」と答弁した。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 全世界における民間船舶のうち、原子力を推進力として使用している船舶について、政府が把握している現在の数を示されたい。 二 船舶の推進力としての原子力利用が一般化した状況については具体的に答えることが困難だとしても、現在、一般化している状況にあるか否かは判断できると考える。政府は、前記一の民間船舶の数を踏まえ、船舶の推進力としての原子力利用が一般化している現状にあると考えるか、それとも、一般化していない現状にあると考えるか、見解を示されたい。 三 小泉防衛大臣は、「アメリカが韓国に対して原子力潜水艦の建造の許可を出す」ことなどを例示し、この半年間でも極めて大きな動きが日本を取り巻く安全保障環境に更なる負荷を掛けている旨答弁した。韓国が原子力潜水艦を保有することが日本を取り巻く安全保障環境に更に負荷を掛けることになる理由について、具体的な事例を挙げて示されたい。 四 防衛省は現在、通常動力型潜水艦として世界最高峰の能力を持つ「たいげい」型潜水艦を含めた潜水艦二十二隻体制を敷いていると承知している。同体制では我が国を取り巻く安全保障環境の変化に対応できないと認識しているか、政府の見解を示されたい。 五 原子力基本法は、我が国が世界で唯一の被爆国であることを踏まえた法律である。原子力基本法第二条第一項において、「原子力利用は、平和の目的に限」ると規定している理由及び同条の立法趣旨を明らかにされたい。 右質問する。 |