第219回国会(臨時会)
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質問第二〇号 物価高対策の緊要性に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年十月二十七日 牧山 ひろえ
参議院議長 関口 昌一 殿 物価高対策の緊要性に関する質問主意書 近年、世界的な資源価格の高騰、円安傾向、物流コストの上昇等により、我が国の消費者物価は上昇を続けている。特に、食料品の値上がりは国民生活に最も直接的な打撃を与えており、実質賃金の減少とあいまって、家計収支の悪化が深刻化している。 ・企業倒産の急増:二〇二五年一月の「物価高」倒産は、前年同月比二十七・〇%増の六十一件に上り、物価高が企業経営を圧迫している。 ・値上げ品目の増加:二〇二五年通年の値上げ品目は二万品目に達し、家計収支の悪化が懸念されている。 ・実質賃金の減少:物価の影響を除いた実質賃金は二〇二五年一月から八月まで八箇月連続で前年同月を下回っており、家計収支の悪化が深刻化している。 こうした中、政府は補助金や給付金などの物価高対策を講じているが、対象や期間に制約があり、物価高の恒常化に十分対応しきれていない。よって、立憲民主党は、国民生活第一の立場から、物価高対策の処方箋として、食料品に係る消費税率をゼロ%とする措置(以下「本措置」という。)を提案している。本措置は、家計負担の軽減や困窮世帯の支援にとどまらず、国内需要の下支え、企業収益の改善、賃金上昇基盤の形成など、経済全体の好循環を促す、より積極的かつ野心的な「経済政策」である。 本措置の実現可能性及びその正当性について、以下質問する。 一 物価高対策の緊要性に関連し、現在の物価高についての政府の認識を示されたい。 二 現在の物価高が家計及び企業経営に与える影響について、政府はどのように評価しているか示されたい。特に、食料品価格の上昇により低所得層・中間層の生活が困難になっている実態をどのように把握しているか示されたい。 三 低所得家庭の子どもの中には、給食がない夏休み等の期間中、空腹を我慢せざるを得ない状況になっている者もいる。日本国憲法第二十五条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」が脅かされている状況と考えるが、政府の認識を示されたい。 四 政府は、今般の物価高を抑制しなければならないという断固たる決意(デターミネーション)を有しているか示されたい。 五 政府が実施した物価高対策の効果に対する評価を示されたい。特に、想定された効果を発揮したと評価しているか、政府の見解を示されたい。 六 深刻化している家計収支の悪化に対処するため、一刻も早く物価高を抑制する有効な手段を採るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 七 物価高対策を講ずるに当たり、食料品に係る消費税の低減又はゼロ税率を政府として検討したか示されたい。検討していない場合には、その理由を、検討した場合には、その検討の経過及び結果を具体的に示されたい。 八 英国、アイルランド、カナダ、オーストラリア、韓国など、多くの先進諸国では、食料品に係る消費税(付加価値税)をゼロ税率又は非課税としている。 1 食料品に係る消費税(付加価値税)をゼロ税率又は非課税としている国における制度設計及び経済効果について、政府としてどのように分析しているか示されたい。 2 我が国が同様の制度を導入した場合、財政、消費者物価指数(CPI)、家計支出構造への影響について、政府としてどのように見積もっているか示されたい。 右質問する。 |