第217回国会(常会)
内閣参質二一七第二一三号 令和七年七月一日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員浜田聡君提出子ども・子育て関係費の推計における人口前提の妥当性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員浜田聡君提出子ども・子育て関係費の推計における人口前提の妥当性に関する質問に対する答弁書 一の1及び2について 「二千四十年を見据えた社会保障の将来見通し(議論の素材)」(平成三十年五月二十一日内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省作成。以下「社会保障の将来見通し」という。)における社会保障給付費のうち「子ども・子育て」分の将来見通しの前提条件として、御指摘の「「子ども数を固定」した理由」は、出生数が減少している中で、少子化対策として平成二十九年六月二日に厚生労働省が公表した「子育て安心プラン」等による各種政策の効果も相まって、将来における「給付の対象となる子ども数」の推計が困難であることから、関係府省庁において、令和二年度以降一定と仮定して推計したものである。 一の3について お尋ねの「「子ども数を固定」する前提が、直近の実績(出生数の大幅な減少)と推計の乖離を拡大させている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般的に、将来の人口や経済状況を見通すことには不確実性を伴うため、御指摘の「乖離」の「要因」について一概に特定することは困難である。 二の1について 御指摘の「子ども数が今後減らないこと」の意味するところが必ずしも明らかではなく、また、調査に膨大な作業を要することから、お尋ねに網羅的にお答えすることは困難であるが、御指摘の「子ども」が子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)第六条第一項に規定する「子ども」を、御指摘の「今後減らないこと」が複数年にわたる「試算又は推計」の対象とする期間において一定であると仮定することを指すのであれば、政府において把握している限りにおいては、例えば、国の審議会等に提出された「政府が行った試算又は推計」及び「当該試算又は推計を根拠として予算編成された政策等」はないものと認識している。 二の2及び3について 御指摘の「将来推計」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにしても、政府における各種の「試算又は推計」については、その目的と性格に応じて、適切な手法が採用されていると考えており、一律に、「外部有識者等がレビューする制度」等の「何らかの措置を講じる必要」があるとは考えていない。 三について お尋ねの「今後の新たな推計」及び「子ども数の推移に応じて、自動的に子ども・子育て関係費も見直される制度的仕組み(スライド制等)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、社会保障の将来見通しにおいては、留意事項として、「本見通しは、一定の仮定をおいて行ったものであり、結果は相当程度の幅をもってみる必要がある。」としており、一般的に、将来の人口や経済状況を見通すことには不確実性を伴うため、将来見通しの前提と実績値の間に違いが生じたことのみをもって、社会保障の将来見通しの「見直し」をすることは現時点で考えていない。 |