質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第二一〇号
  令和七年七月一日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員浜田聡君提出エビデンスが乏しい予防医療施策への公的補助の見直しに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出エビデンスが乏しい予防医療施策への公的補助の見直しに関する質問に対する答弁書

一及び二の1について

 政府として、御指摘の「こうした「エビデンスが乏しい予防医療施策」(以下「当該医療施策」という。)」のような定義はしていないため、これに関するお尋ねについてお答えすることは困難である。その上で、御指摘の「国庫補助金」に関しては、例えば、御指摘の「健康教室」、「睡眠改善教室」等の健康教育に対しては、市町村(特別区を含む。)が健康増進法(平成十四年法律第百三号)第十七条第一項及び第十九条の二の規定に基づき実施する健康増進事業(がん検診(健康増進法施行規則(平成十五年厚生労働省令第八十六号)第四条の二第六号に掲げるがん検診をいう。以下同じ。)を除く。以下単に「健康増進事業」という。)において補助の対象としており、健康教育を含む健康増進事業に係る交付実績額は、令和六年度は三十二億九千六百三十六万二千円、令和五年度は三十二億三千六百十二万七千円、令和四年度は三十二億四百九万二千円、令和三年度は三十一億九千二百六十八万二千円、令和二年度は三十一億二千三百六十三万八千円である。また、がん検診に係る費用については、平成十年度に国庫補助金等が一般財源化されているところである。

 また、御指摘の「エビデンス」に関しては、例えば、御指摘の「胸部X線検査(肺がん検診)」については、先の答弁書(令和七年六月二十日内閣参質二一七第一六三号)一の1についてでお答えしたとおりである。

 さらに、予防・健康づくりの取組において、御指摘のように「補助が継続されている」場合におけるその「理由」については、一概に述べることは困難であるが、いずれにせよ、それぞれの必要性等に鑑み、予算措置が行われているものである。

 加えて、御指摘の「政策評価」に関しては、例えば、「行政事業レビューの実施等について」(平成二十五年四月五日閣議決定)に基づき、「事業に係る予算の執行状況等について、個別の事業ごとに整理した上で、毎会計年度終了後速やかに必要性、効率性及び有効性等の観点から検証して当該事業の見直しを行」うこととしており、また、御指摘の「EBPM」に関しては、例えば、令和五年度に内閣官房において、「EBPM」の基本的な考え方や、機動的で柔軟な見直しを可能とする政策形成及び評価の実践を普及・浸透させるため、「EBPMガイドブック」を作成しているところ、これも参考に、必要な取組を行うこととしている。

二の2について

 御指摘の「費用対効果の基準を定めた交付要綱や指針」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、御指摘の「地方自治体」が行う予防・健康づくりの取組については、令和五年度に、各地方自治体等における予防・健康づくりに係る取組の参考に供するため、厚生労働省が作成した「健康づくり施策のためのTextbook」において、御指摘の「費用対効果」に関しては、「ハイリスクアプローチは、・・・費用対効果などの結果が出やすい」、「ポピュレーションアプローチは、・・・費用対効果が小さくなったりする可能性があります」等と示しており、また、御指摘の「健康保険組合」が行う当該取組については、健康保険法に基づく保健事業の実施等に関する指針(平成十六年厚生労働省告示第三百八号)において、「本指針は、・・・保険者が加入者を対象として行う特定健康診査及び特定保健指導のほか、・・・健康教育、健康相談及び健康診査並びに健康管理及び疾病の予防に係る加入者の自助努力についての支援その他の加入者の健康の保持増進のために必要な事業・・・に関して、その効果的かつ効率的な実施を図るため、基本的な考え方を示すもの」と定めた上で、御指摘の「費用対効果」に関しては、「事業の評価は、健康・医療情報を活用して、費用対効果の観点も考慮しつつ行うこと」と定めているところである。

二の3について

 御指摘の「費用対効果」に関しては、例えば、一及び二の1についてで述べたとおり、「行政事業レビューの実施等について」に基づき、「事業に係る予算の執行状況等について、個別の事業ごとに整理した上で、毎会計年度終了後速やかに必要性、効率性及び有効性等の観点から検証して当該事業の見直しを行」うこととしているため、お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、今後とも、こうした取組について適切に進めてまいりたい。