質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第一八四号
  令和七年六月二十四日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員齊藤健一郎君提出行政事務標準文字の導入及び電子証明書を用いたeKYCの制度運用等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員齊藤健一郎君提出行政事務標準文字の導入及び電子証明書を用いたeKYCの制度運用等に関する質問に対する答弁書

一について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「住基ネット統一文字」は、住民基本台帳ネットワークシステム(以下「住基ネット」という。)の構築に当たり、住基ネットで使用する独自の文字として作成されたものであるところ、「住民記録システム」に記録されている情報を住基ネットを通じて送信等するに当たり、当該「住民記録システム」において使用される文字のうち、「住基ネット統一文字」に含まれないものを識別するための符号としての「コードポイント」の一つとして「U+D700」の文字列が選定されたものであるが、これは、「Unicode」とは無関係に行われたものである。

 後段のお尋ねについては、お尋ねの「記号等への変更」の意味するところが必ずしも明らかではないが、地方公共団体情報システム(地方公共団体情報システムの標準化に関する法律(令和三年法律第四十号)第二条第一項に規定する地方公共団体情報システムをいう。以下同じ。)の標準化により、御指摘の「住民記録システム」において使用される文字が「MJ+」(以下「行政事務標準文字」という。)に統一されることに伴い、行政事務標準文字の各文字と住基ネットにおいて使用される各文字との対応を識別するための文字列を設定することとしている。

二について

 お尋ねの「マイナンバーカードを更新した後も維持されるか否か、その制度的・技術的な設計及び個人情報保護制度との整合性」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、「新旧シリアル番号のひも付け」については、認証業務情報(電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律(平成十四年法律第百五十三号)第四十四条第一項に規定する認証業務情報をいう。)を用いて行われるものであり、その保存期間を超えて署名用電子証明書及び利用者証明用電子証明書の「シリアル番号」が提供されることはない。

三について

 前段のお尋ねについては、お尋ねの「こうした基準や縮退マップの整備状況」の意味するところが必ずしも明らかではないが、デジタル庁においては、地方公共団体情報システムにおいて使用される行政事務標準文字とスマートフォン等において使用される文字との対応表の整備を進めているところである。

 後段のお尋ねについては、お尋ねの「国際標準としての適合性」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。

四について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「電子証明書の利用通知」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、令和七年五月末時点で、利用者証明用電子証明書を利用してマイナポータルにログインした際に電子メールによる通知を受ける設定をしていた利用者の数は約三千九十二万人である。また、令和六年四月から令和七年三月までの間において、「行政機関による情報連携の履歴確認機能」が利用された回数は、約三百七十九万回である。

 後段のお尋ねについては、お尋ねの「全ての情報連携」の意味するところが必ずしも明らかではないが、行政機関が御指摘の「紙媒体」により行う個人情報の提供等の記録については、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)等の関係法令の規定に基づき、各行政機関において当該行政機関が保有する個人情報の開示の請求に係る手続を整備している一方、当該記録を網羅的に把握するためには膨大な作業を要することから、当該記録についてお尋ねのように「マイナポータル上での記録・閲覧を可能とすること」は考えていない。

五について

 前段のお尋ねについては、行政事務標準文字の策定を効率的に進める観点から、デジタル庁において、市区町村の戸籍情報システムが管理する文字の整備に係る既存の事業の成果を活用することとしたものである。

 後段のお尋ねについては、地方公共団体情報システムの標準化に際し、各地方公共団体において、その使用する外字等の行政事務標準文字への同定を行うこととなるが、同庁においては、当該同定に係る手順書や支援ツールの提供等を行ってきたところであり、引き続き、必要な支援に努めてまいりたい。