第217回国会(常会)
内閣参質二一七第一七〇号 令和七年六月二十日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員浜田聡君提出公用パソコン内の不適切な私用データの法的取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員浜田聡君提出公用パソコン内の不適切な私用データの法的取扱いに関する質問に対する答弁書 一について 前段のお尋ねについては、お尋ねの「公用パソコン内に、公務とは無関係な私用データ(勤務時間中に作成されたもの)が存在する場合」及び「当該データの所有権」の意味するところが必ずしも明らかではないが、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八十五条の「物」とは、有体物をいうとされており、有体物ではないデータは、同法第二百六条の「所有物」には該当しない。 後段のお尋ねについては、お尋ねの「所有権を主張できるか」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 二について お尋ねの「公用パソコン内の私用データ」、「当該データを削除又は処分することは、法的に許容されるか」及び「公用データと同様の取扱い」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、地方公共団体が保有するデータについては、各地方公共団体が定めるルールに基づき、管理及び運用が行われているものと認識しており、政府としてお答えする立場にない。 三について 前段のお尋ねについては、お尋ねの「公用パソコン内で作成された私用データ(文章や不適切な内容を含むデータ)」の意味するところが必ずしも明らかではないが、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第十五条第一項において、「法人その他使用者(以下この条において「法人等」という。)の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物(プログラムの著作物を除く。)で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。」とされており、具体的な事実関係に照らして個別的に判断されるべきものであると考えているため、一概にお答えすることは困難である。 後段のお尋ねについては、お尋ねの「地方自治体が公務員の意に反して当該データを利用又は公開する場合、著作権法上の問題が生じる」及び「公用パソコン内で作成された私用データについては、著作権が放棄されているとみなす運用」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 四について お尋ねの「公用パソコン内の私用データ」及び「公用パソコンに保存されたデータについては、プライバシー権が制限される」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 五について 前段のお尋ねについては、御指摘の「公用パソコンを使用して私用データを作成する行為」及びお尋ねの「このような行為が確認された場合、地方自治体が当該データを証拠として収集し、懲戒処分の根拠とすることは法的に問題ないか」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 後段のお尋ねについては、お尋ねの「特別職(例えば、知事)が当該データの作成又は漏洩に関与した場合」及び「地方公務員法や地方自治法に基づく責任はどのように解釈されるか」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 六について お尋ねの「公用パソコン内の私用データ」、「当該データを公開する義務」及び「所有権が地方自治体に帰属する場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般論として、地方公共団体が保有する行政文書の開示の請求については、地方公共団体において、それぞれの情報公開条例等に基づき判断されるものと認識しており、政府としてお答えする立場にない。 |