第217回国会(常会)
内閣参質二一七第一五二号 令和七年六月十七日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 林 芳正
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員浜田聡君提出日本最南端に位置する沖ノ鳥島への航空拠点整備に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員浜田聡君提出日本最南端に位置する沖ノ鳥島への航空拠点整備に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「日本のEEZの基点となっている」及び「その地形的・法的根拠」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、沖ノ鳥島については、平成三十一年三月二十八日の衆議院安全保障委員会において、三上外務省国際法局長(当時)が「国連海洋法条約上、島とは、第百二十一条一項において、「自然に形成された陸地であって、水に囲まれ、高潮時においても水面上にあるもの」と定義されております。」と答弁し、また、平成二十八年五月十三日の衆議院外務委員会において、岸田外務大臣(当時)が「沖ノ鳥島は、国連海洋法条約上、島としての地位は確立しておりますし、よって、周辺海域に排他的経済水域等が設定されています。」と答弁しているとおりである。 二の前段について お尋ねの「地質」については、海岸法(昭和三十一年法律第百一号。以下「法」という。)第二条の三第一項の規定に基づき、東京都知事が定めた「伊豆小笠原諸島沿岸海岸保全基本計画」(平成十五年七月策定、令和七年三月改定。以下「基本計画」という。)において、沖ノ鳥島は「サンゴ礁からな」る島とされている。また、お尋ねの「面積」については、法第三十七条の二第三項の規定に基づき、同島及び同島を防護するため必要な最小限度の区域が海岸保全区域として指定されており、法第二十四条第一項の規定に基づき国土交通大臣(旧建設大臣)が調製した「沖ノ鳥島海岸保全区域台帳」(平成十一年六月二十三日調製、令和六年三月三十一日変更)において、「海岸保全区域の面積」は「五百七十七万六千八百六十八・一九平方メートル」とされている。さらに、お尋ねの「高低差等」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、基本計画において、「満潮時には北小島、東小島が海面上に残る」とされている。 二の後段について お尋ねについては、現時点で把握している限りでは、お尋ねのように「判断したこと」はない。 三について お尋ねの「施設整備の内容」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、沖ノ鳥島における公共事業について、①法第三十七条の二第一項の規定に基づき国土交通大臣(旧建設大臣)が平成十一年度から行った海岸保全施設(法第二条第一項に規定する海岸保全施設をいう。)の新設、改良、災害復旧、維持又は修繕に関する工事、②排他的経済水域及び大陸棚の保全及び利用の促進のための低潮線の保全及び拠点施設の整備等に関する法律(平成二十二年法律第四十一号)第八条の規定に基づき国土交通大臣が平成二十三年度から行った特定離島港湾施設(同条に規定する特定離島港湾施設をいう。)の建設、改良又は管理に関する工事の別に、各年度における予算額(百万円未満を四捨五入した数字)をお示しすると、それぞれ以下のとおりである。 平成十一年度 ①四十六億八千万円 平成十二年度 ①一億八千万円 平成十三年度 ①一億八千万円 平成十四年度 ①三億千五百万円 平成十五年度 ①一億八千万円 平成十六年度 ①三億三千万円 平成十七年度 ①五億四千万円 平成十八年度 ①四十九億千七百万円 平成十九年度 ①八十四億六百万円 平成二十年度 ①二億百万円 平成二十一年度 ①二億三千三百万円 平成二十二年度 ①二億三千六百万円 平成二十三年度 ①二億三千六百万円 ②十億円 平成二十四年度 ①四億六千九百万円 ②八十九億四千八百万円 平成二十五年度 ①五億千六百万円 ②九十八億七千八百万円 平成二十六年度 ①十一億五千万円 ②九十七億二千八百万円 平成二十七年度 ①二十三億千八百万円 ②百一億二百万円 平成二十八年度 ①二十三億千八百万円 ②五十八億五千万円 平成二十九年度 ①二十八億千六百万円 ②九十六億二千万円 平成三十年度 ①百七億六千二百万円 ②七十六億二千万円 平成三十一年度 ①三十九億九百万円 ②八十三億八千万円 令和二年度 ①十三億千八百万円 ②七十四億二千七百万円 令和三年度 ①十四億三百万円 ②百八億八千万円 令和四年度 ①二十一億九千百万円 ②七十九億七百万円 令和五年度 ①九十七億五千五百万円 ②八十八億円 令和六年度 ①十四億七千六百万円 ②三十二億六千万円 令和七年度 ①十三億二千六百万円 ②八十二億円 四の前段について お尋ねの「海洋進出の動き」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、海上保安庁では巡視船及び航空機により、沖ノ鳥島を含めた我が国周辺海域の監視等を実施している。 四の後段について お尋ねの「中国船の接近又は示威行動の件数等」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、海上保安庁が沖ノ鳥島周辺の我が国の排他的経済水域において、中華人民共和国による我が国の同意を得ない海洋調査活動を確認したのは、令和二年から令和六年までの間で五件である。 五について お尋ねの「沖ノ鳥島周辺に有事・自然災害が発生した場合」における航空機、艦艇等の活用は、個々の状況に応じて決定されるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 六について お尋ねの「施設の整備の必要性」及び「多目的活用を想定した議論を行う必要がある」か否かについては、検討を行っていないため、お答えすることは困難である。 |