第217回国会(常会)
内閣参質二一七第一五〇号 令和七年六月十七日 内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 林 芳正
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員浜田聡君提出ねんきん定期便への事業主負担額記載の方針及び意思決定プロセスに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員浜田聡君提出ねんきん定期便への事業主負担額記載の方針及び意思決定プロセスに関する質問に対する答弁書 一の1について お尋ねについては、令和七年三月二十五日の参議院総務委員会において、政府参考人が「ねんきん定期便の事業主負担の記載に係る国民の皆様からの要望を踏まえ、来月四月から発送するねんきん定期便におきましては、厚生年金保険料は被保険者と事業主が折半して負担することとされており、事業主も同額を負担する、している旨の説明を追記することとしております。」と答弁しているところ、当該追記については、御指摘のように「制度の理解・信頼向上に資する」と考えたものである。 一の2及び4の前段について お尋ねについては、一の1についてで述べたとおり、令和七年四月から発送するねんきん定期便においては、厚生年金保険料は被保険者と事業主が折半して負担し、事業主も被保険者と同額の保険料を負担している旨の説明を追記しているところ、当該追記により、御指摘の「事業主負担分の具体的な金額」についても分かるようになっていることから、現時点においては、当該金額を「明記して」おらず、かつ、御指摘のように「被保険者負担額・事業主負担額を併記した上で、合計負担額を記載すべき」とは考えていない。 一の3について お尋ねについては、令和七年三月二十五日の参議院総務委員会において、政府参考人が「ねんきん定期便は被保険者の保険料納付の実績や将来の給付に関する情報を分かりやすくお知らせするためのことを目的としておりまして、限られた紙面のスペースの中で」記載事項を検討する必要性について答弁しているところ、当該記載事項については、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第三十一条の二の規定、厚生年金保険法施行規則(昭和二十九年厚生省令第三十七号)第十二条の二の規定等に基づき、時宜に応じて被保険者に対し通知すべき必要性の高さ等を総合的に勘案し、検討しており、御指摘の「令和七年三月までの「ねんきん定期便」」においては、「事業主が保険料を負担していること」を「明記」していなかったところである。 一の4の後段について お尋ねの「所得換算して視覚的に示すなどの工夫」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 一の5について お尋ねの「年金制度の財源構造が国民にとって分かりにくいことにより、国民の年金不信を生んでいる」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、年金制度については、厚生労働省ホームページ等において、年金給付の財源も含め公的年金の財政の仕組み等の周知を行っているところであり、引き続き、国民の理解が得られるよう取り組むとともに、必要に応じて、その改善を図ってまいりたい。 二の1について 御指摘の「ねんきん定期便の記載項目」については、一の3についてで述べたとおり、厚生年金保険法第三十一条の二の規定、厚生年金保険法施行規則第十二条の二の規定等に基づき、時宜に応じて被保険者に対し通知すべき必要性の高さ等を総合的に勘案し、検討した上で、「決定」しているものである。その上で、お尋ねの「厚生労働省内の意思決定プロセス」については、厚生労働省年金局が中心となって、関係部局と必要な調整等を行いながら、「意思決定」をしているものであり、また、お尋ねの「日本年金機構の関与」については、同省と日本年金機構との間で、当該「記載項目」の内容について調整を行っているものである。 また、個々の「決定」に際して、御指摘の「有識者の意見聴取」は行っていないが、ねんきん定期便により通知している情報の概要については、同機構が毎年度行う業務実績報告等により、社会保障審議会年金事業管理部会に報告がされているところである。 二の2について お尋ねの「今般の「事業主負担分記載」の方針」についても、二の1についてで述べたとおりの過程により、調整を行い、決定したものである。 二の3について 御指摘のような「外部からの要望や批判」について様々なものがあることは承知しているが、御指摘の「ねんきん定期便の記載項目」については、これまでも様々な「要望や批判」を踏まえつつ、一の3についてで述べたとおり、時宜に応じて被保険者に対し通知すべき必要性の高さ等を総合的に勘案し、検討した上で、必要な見直し等の対応を行ってきたところ、お尋ねの「要望等があった場合、当該要望への対応について」個々にお答えすることは困難である。 二の4について お尋ねの「国民が負担と給付の構造を時系列で分かりやすく把握できるようなインターフェースの整備」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにせよ、公的年金制度の被保険者は、ねんきん定期便及びマイナポータル等を通じたねんきんネットにより、保険料の納付実績及び将来の給付に関する情報が把握できるようになっているところである。 |