質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第一四〇号
  令和七年六月十三日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員浜田聡君提出晴海フラッグ周辺における白タク行為の実態及びライドシェア制度導入の必要性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出晴海フラッグ周辺における白タク行為の実態及びライドシェア制度導入の必要性に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「晴海フラッグ周辺」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「白タク行為」については、道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号。以下「法」という。)第四条第一項の規定に違反する行為としてのほか、法第七十八条の規定に違反する行為として取り締まっているところ、警視庁によると、令和七年一月一日から同年五月三十一日までの間において、同庁月島警察署の管轄区域における当該行為の取締りを求める一一〇番通報や要望は複数件あったが、この間に同項又は同条違反で検挙した事例はないとのことである。

二について

 お尋ねの「短期滞在ビザや観光ビザ」は、短期滞在の在留資格を指すものと解されるが、当該在留資格で本邦において行うことができる活動は、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第一の三の表の短期滞在の項の「本邦に短期間滞在して行う観光、保養、スポーツ、親族の訪問、見学、講習又は会合への参加、業務連絡その他これらに類似する活動」であり、同法第十九条第一項の規定により、収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行ってはならないこととされていることから、御指摘の「繰り返し白タク行為」を行う活動は、当該在留資格で本邦において行うことができる活動として認められていない。

三について

 御指摘のような「晴海フラッグにおいて、外国語を話す運転手が訪日外国人と接触し、アプリ等での配車・運賃収受を行う白タク行為が常態化している」との住民の声があるとは認識しておらず、政府としては、御指摘のように「常態化している」とまでは考えていないところ、御指摘のように「現行制度では限界がある」とは考えていないが、引き続き、取締りや訪日外国人及び自家用車の運転手等に対する啓発活動に取り組んでまいりたい。

四について

 御指摘の「白タク行為」については、法第四条第一項及び第七十八条の規定に違反する行為であり、国土交通省としては、都道府県警察や地方自治体等と連携しながら、国内の主要な空港や観光地等において、当該行為の防止に関し、訪日外国人及び自家用車の運転手等に対し広く周知するため、多言語による啓発活動を実施しているところであり、お尋ねのように「十分に行われている」ものと認識しているが、引き続き、訪日外国人及び自家用車の運転手等に対する啓発活動に取り組んでまいりたい。

五について

 国土交通省としては、都道府県警察に御指摘の「白タク行為」と疑われる事案に関する情報を提供しているほか、都道府県警察や地方自治体等と連携し、国内の主要な空港や観光地等における当該行為の対策に係る会議を開催して情報共有や対策の検討を行っており、既に必要な連携体制は整備されていると考えるが、引き続き、当該行為の防止に努めてまいりたい。

六について

 お尋ねの「分析」については、都市部において、一部の地域、時期、時間帯等でタクシーの供給不足が生じていたものの、近年のタクシードライバーの数の回復等により、当該不足は改善しつつあると考えている。

 また、お尋ねの「対応方針」については、政府としては、都市部に限らずタクシードライバーの不足の解消が重要であると考えており、令和六年十二月十八日の衆議院国土交通委員会において、鶴田国土交通省物流・自動車局長が「タクシーにつきましては、運賃算定手法の見直しや運賃改定の迅速化により早期の賃上げを促進しております。加えて、採用活動や二種免許取得に係る費用への支援、キャッシュレス、配車アプリといった業務効率化、省力化の取組支援を進めてまいります。これらを通じまして、関係者と連携して、ドライバーの処遇改善と、将来の担い手の確保、育成に向けてしっかり取り組んでまいります。」と答弁したとおりである。

七について

 御指摘の「合法かつ安全なライドシェア制度」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、法に基づく制度である「公共ライドシェア」や「日本版ライドシェア」により、安全の確保を前提として、地域の一般ドライバーや自家用車を活用することで、御指摘の「移動手段」の確保に努めているところであり、引き続き、地方自治体との連携の下、これらの制度の活用を促進してまいりたい。