質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第九五号
  令和七年四月二十二日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員福島みずほ君提出石綿健康被害救済法による特別遺族給付金の認定に係る旧国鉄元職員の遺族及びJR元職員の遺族間の権衡に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出石綿健康被害救済法による特別遺族給付金の認定に係る旧国鉄元職員の遺族及びJR元職員の遺族間の権衡に関する再質問に対する答弁書

一について

 先の答弁書(令和七年三月十一日内閣参質二一七第四八号)一について及び二についてで述べたとおり、日本国有鉄道(以下「旧国鉄」という。)の元職員に係る労働災害の認定等については、石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号。以下「法」という。)が適用されるものではなく、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「機構」という。)においては、御指摘の「法第三条に規定する救済給付」の「基準」を用いておらず、日本国有鉄道改革法等施行法(昭和六十一年法律第九十三号)等の下で、石綿被害遺族補償一時金(特例業務所管組織昭和六十二年三月三十一日以前に係る業務災害補償等取扱基準(平成二十二年五月三十一日国管職第百五十六号。以下「取扱基準」という。)第四条第一項第四号に掲げる石綿被害遺族補償一時金をいう。)等の支給に関する事務を行い、これらに係る労働災害の認定に当たっては、機構において、取扱基準第十三条第一項に基づき、「石綿との因果関係を立証できるかどうか医学的資料等に基づいた専門医による判断を受けて」、対応が行われているものと承知している。

 その上で、お尋ねについては、御指摘の「石綿による健康被害の救済に関する法律(法施行日 平成十八年三月二十七日)以降に認定の申請をしないで指定疾病に(ママ)死亡された方(未申請死亡者)の医学的判定の考え方の認定要件に該当しない」という記載は、御指摘の「不認定理由」ではなく、御指摘の「検討会」が労働災害の認定に当たり参照するものとして、他の制度においても死亡診断書があっても「医学的判定」の結果、不認定とすることがある旨を記載したものと承知しており、当該検討会は、御指摘の「法第三条に規定する救済給付」の「基準」を用いているわけではないことから、御指摘のように「事実誤認である」とは考えていない。

 なお、御指摘の「不認定と判定された」事案については、申請者からの異議の申立てを受けて、機構において再審査を行った結果、令和六年十一月に認定されたものと承知している。

二について

 一についてで述べたとおり、一で御指摘の「第一九五回の検討会」において、御指摘の「救済給付の基準」は用いられていないものと承知しており、「第一九五回以外の検討会においても、救済給付の基準を誤用している」との御指摘は当たらないものと考えているところ、御指摘のように「認定し直すべき」とは考えていない。

三について

 一について及び二についてで述べたとおり、御指摘の「検討会」において、御指摘の「救済給付の基準」は用いられていないものと承知しており、御指摘のように「前記一のように救済給付の基準によって不認定」とはしていないものと承知している。

 その上で、お尋ねについては、一についてで述べたとおり、旧国鉄の元職員に係る労働災害の認定等については、法が適用されるものではないことから、必ずしも御指摘のように「認定基準に沿って認定すべき」ものではなく、機構において適切に対応すべきものと考えている。

四について

 お尋ねについては、御指摘の「認定基準」は、御指摘の「機構の特例業務所管組織昭和六十二年三月三十一日以前に係る業務災害補償等取扱基準第十条」において、取扱基準第十条に基づく認定に当たり参照する「業務上の傷病等の認定に関する労働省の通ちょうの主なもの」の一つとして掲げられているにすぎず、御指摘のように「認定基準の第三の四に拘束される」とは考えていない。