第217回国会(常会)
内閣参質二一七第八〇号 令和七年四月十一日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員石垣のりこ君提出診療所医師の引退年齢を八十歳と仮定して医師偏在対策を策定することの妥当性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員石垣のりこ君提出診療所医師の引退年齢を八十歳と仮定して医師偏在対策を策定することの妥当性に関する質問に対する答弁書 一について 御指摘の医師の「定年」については、各病院又は診療所が医療の提供体制において果たすべき役割は、地域や診療科等により様々であり、したがって、それらに従事する医師に求められる能力や役割等も様々であると考えられることから、各病院又は診療所において適切に判断されるべきものと考えており、「定年は何歳が適切であると考えているのか」とのお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。 二について 御指摘の「八十歳まで現役で医業を行っている医師」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、病院及び診療所に従事する八十歳以上の医師と解すれば、当該医師数について、厚生労働省の「令和四年医師・歯科医師・薬剤師統計」から算出すると、令和四年十二月三十一日現在において、八千四百二十四人であり、病院及び診療所に従事する医師全体に占める割合は約二・六パーセントである。 三について 御指摘の「診療所等」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、御指摘の「個人経営の診療所」「で従事する医師」も含め、一についてで述べたとおり、医師に求められる能力や役割等も様々であると考えられることから、お尋ねの「年齢による制限」については、各「個人経営の診療所」「で従事する医師」において適切に判断されるべきものと考えており、政府として一律に設けるべきものとは考えない。 四について 御指摘の「医師の偏在対策」については、御指摘の「見込み数」のほか、医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第三十条の四第二項第十一号ロの指標や将来の人口動態等のデータを基に、検討を進めながら、お尋ねの「医師少数区域の医師不足」の「解消」を図ることとしている。 五について 御指摘のように「診療所医師は八十歳まで引退しないとの仮定に基づき、医師は偏在しているが日本全体における医師数は充足しているとして、医学部の定数を削減する」ことを考えているわけではないため、このことを前提としたお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、医学部の定員については、厚生労働省医政局長が参集を求めて開催している、医療団体の代表や医師養成等に関する専門的知見を有する有識者等により構成される「医師養成過程を通じた医師の偏在対策等に関する検討会」において、今後の医療需要の状況等を踏まえながら、医師偏在対策の検討を行う中で、検討を行っているところである。 |