第217回国会(常会)
内閣参質二一七第七七号 令和七年四月十一日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員神谷宗幣君提出土地利用状況に関する報告を踏まえた安全保障と外国人土地取得規制に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出土地利用状況に関する報告を踏まえた安全保障と外国人土地取得規制に関する再質問に対する答弁書 一について 前段のお尋ねについては、御指摘の「基本方針」において、機能阻害行為に該当するか否かについて、「個別具体的な事情に応じ、適切に判断する」こととしており、一概にお答えすることは困難である。 後段のお尋ねについては、御指摘の「基本方針」において、機能阻害行為の「類型に該当しない行為であっても、機能阻害行為として、勧告及び命令の対象となることはある」としているところであり、個別具体的な事情に応じ、適切に判断してまいりたい。 二について 御指摘の「現代の科学技術を考慮した場合、千メートルを超える距離からも機能阻害行為が可能と考えられる」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、令和二年十二月二十四日に国土利用の実態把握等に関する有識者会議で取りまとめられた「国土利用の実態把握等のための新たな法制度の在り方について 提言」において、「防衛関係施設等の周辺の土地につき、どの程度の範囲まで制度的枠組みの対象とするのかという点に関しては、予見可能性の確保や過度な負担防止の観点から、原則として、施設からの一定の距離で範囲を設定しておくことが適当である」とされたことを踏まえ、政府としては、「予見可能性の確保や過度な負担防止の観点」から、先の答弁書(令和七年二月四日内閣参質二一七第一号)一についてでお答えしたように、機能阻害行為が「相当に懸念される範囲」として、重要施設の「敷地からおおむね一千メートルの区域を対象とすることとした」ところである。 三及び五について 御指摘の「外国人・外国系法人による土地・建物等の取得が顕著であることが判明した現状」及びお尋ねの「安全保障に係る他の戦略的地域にも規制対象を拡大すべき」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、重要施設周辺及び国境離島等における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律(令和三年法律第八十四号。以下「法」という。)第五条第一項に規定する注視区域(以下「注視区域」という。)において、法第六条に規定する土地等利用状況調査を適切に実施しているところであり、土地及び建物(以下「土地等」という。)の所有及び利用状況の実態把握を着実に進めてまいりたい。その上で、法附則第二条において、「政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、この法律の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされていることを踏まえ、適切に検討してまいりたい。 四について 御指摘の「中国人・中国系法人による土地・建物等の取得件数が極めて多い現状」並びにお尋ねの「中国人・中国系法人が取得した土地に対して特別な監視、調査、規制を強化すべき」及び「そのような方針」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難であるが、政府としては、注視区域内における土地等の所有及び利用状況の実態把握を着実に進め、重要施設及び国境離島等に対する機能阻害行為を防止するべく、適切に対応してまいりたい。 |