質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第七二号
  令和七年四月八日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員石垣のりこ君提出選択的夫婦別姓が家族の一体性を損なうという主張に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石垣のりこ君提出選択的夫婦別姓が家族の一体性を損なうという主張に関する質問に対する答弁書

一、四及び五について

 選択的夫婦別氏制度の導入については、御指摘のような「夫婦で姓が異なると家族の一体性が損なわれる場合があるとの主張」がある一方で、「家族の一体性」は、氏の同一によって保たれるものではないとの意見もあるなど、国民の間にも様々な意見があるものと承知しており、また、「夫婦で姓が異なると家族の一体性が損なわれる」かどうかを客観的に判断することは困難であることから、いずれのお尋ねについても、一概にお答えすることは困難である。

二について

 前段のお尋ねについては、お尋ねの「夫婦」及び「親子」の意味するところが必ずしも明らかではなく、網羅的にお答えすることは困難であるが、婚姻関係にある夫婦間や親と未婚の実子との間で氏が異なる場合として、例えば、日本人が外国人と婚姻した上で戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第百七条第二項の規定による氏の変更をしない場合、子の父母が婚姻していない場合、父母が離婚してその一方が婚姻前の氏に復した場合、子が普通養子縁組により養子となった場合などがあるものと承知している。

 後段のお尋ねについては、それらの数は把握していない。

三について

 御指摘の「子の権利」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、民法(明治二十九年法律第八十九号)第八百十条本文は、養子は、養親の氏を称する旨を定めており、縁組により子の氏が改められる場合があるところ、平成二十七年十二月十六日最高裁判所大法廷判決は、「氏に、名とは切り離された存在として社会の構成要素である家族の呼称としての意義があることからすれば、氏が、親子関係など一定の身分関係を反映し、婚姻を含めた身分関係の変動に伴って改められることがあり得ることは、その性質上予定されている」と判示しているものと承知している。