第217回国会(常会)
内閣参質二一七第五九号 令和七年三月二十八日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員塩村あやか君提出学校における動物の飼育に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員塩村あやか君提出学校における動物の飼育に関する質問に対する答弁書 一について 学校において動物を飼育するに当たっては、動物の愛護及び管理に関する法律(昭和四十八年法律第百五号)その他の法令の規定等を踏まえ、適切に対応することが重要と考えており、文部科学省においては、各都道府県教育委員会等に対し、「学校における動物の飼育について(依頼)」(令和六年八月二十八日付け六初教課第二十四号文部科学省初等中等教育局教育課程課長、幼児教育課長及び特別支援教育課長連名通知。以下「令和六年通知」という。)において、「学校設置者による適切な関与の下、各学校における飼育を行うに当たっての環境及び体制等を整え」ること等を周知している。 二について お尋ねの「これらの考え」の指すところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、小学校において動物を飼育することについては、「小学校学習指導要領(平成二十九年告示)解説 生活編」(平成二十九年七月文部科学省)において示しているとおり、「長期にわたる飼育・栽培の過程では、自ら関わっていくことで、児童の感性が揺さぶられるような場面が数多く生まれてくる。しかし、児童を取り巻く自然環境や社会環境の変化によって、日常生活の中で自然や生命と触れ合い、関わり合う機会は乏しくなってきている。このような現状を踏まえ、生き物への親しみをもち、生命の尊さを実感するために、継続的な飼育・栽培を行うことには大きな意義がある。」と考えていることから、小学校学習指導要領(平成二十九年文部科学省告示第六十三号)においては、「動物を飼ったり植物を育てたりする活動を通して、それらの育つ場所、変化や成長の様子に関心をもって働きかけることができ、それらは生命をもっていることや成長していることに気付くとともに、生き物への親しみをもち、大切にしようとする」ことを指導することとしているものである。 三について 小学校において動物を飼育するに当たって必要な経費については、各学校の設置者が負担すべきものと考えている。なお、文部科学省においては、各都道府県教育委員会等に対し、令和六年通知において、「疾病や負傷等の場合には適切な措置を講じられるよう、必要な体制や予算等を整えること」を周知している。 四について お尋ねの「災害時にどのような事例があったか」については、家庭動物等の飼養及び保管に関する基準(平成十四年環境省告示第三十七号)第六の七において「管理者は、地震、火災等の非常災害に際しても、動物の飼養及び保管が適切に行われるよう配慮すること」とされていることを踏まえ、各学校の管理者において適切に把握されるべきと考えており、政府としては把握しておらず、御指摘のような調査を行うことは考えていない。 五について 前段のお尋ねについて、学習指導要領の改訂については、現在、中央教育審議会において審議がなされているところであり、現時点において、お答えすることは困難である。 後段のお尋ねについて、一般論としては、学習指導要領における各教科等の目標、内容等についての審議に当たっては、必要に応じて、同審議会初等中等教育分科会教育課程部会の下に専門部会等を設置することとなり、当該専門部会等の委員等については、学識経験のある者のうちから任命すべきものと考えているが、個別の人事に関する検討の過程については、公正かつ円滑な人事の確保に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えすることは差し控えたい。 |