質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第五七号
  令和七年三月二十五日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員浜田聡君提出公的年金シミュレーターにはマクロ経済スライドが反映されておらず実際にもらう年金よりも高い金額が表示される可能性に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出公的年金シミュレーターにはマクロ経済スライドが反映されておらず実際にもらう年金よりも高い金額が表示される可能性に関する質問に対する答弁書

一から三までについて

 「公的年金シミュレーターにはマクロ経済スライドが反映されているか」とのお尋ねについては、厚生労働省ホームページの「公的年金シミュレーター使い方ホームページ」の「よくあるご質問(Q&A)」において、例えば令和六年度に試算した場合、「シミュレーターで示す試算額は、今年度(令和六年度)時点の年金水準になっています。今後実施されるマクロ経済スライド調整については、考慮されていません。」と記載されているとおり、試算を行った日の属する年度(以下「試算年度」という。)については、試算年度までのお尋ねの「マクロ経済スライド」が「反映」された水準で、受給開始年度以降の年金額が表示されることになるが、試算年度の翌年度以降の「マクロ経済スライド」は「反映」されず、受給開始年度の翌年度以降の年金額については、それが「反映」された水準とはなっていない。

 また、「マクロ経済スライドを反映させると、将来の年金受給額はどの程度減額されるのか、推計額を示されたい」とのお尋ねについては、「推計額」は「公的年金シミュレーター」の利用者ごとに異なるため、一概にお答えすることは困難である。

 さらに、「公的年金シミュレーター」により表示される受給開始年度の翌年度以降の年金額は、試算年度の翌年度以降の「マクロ経済スライド」が「反映」されていない水準であるが、そもそも試算年度の翌年度以降の物価や賃金等の伸びが「反映」された水準でもなく、「減額される」べきものではないことから、御指摘のように「将来の年金受給額はどの程度減額されるのか」の「推計額を把握して国民に周知すべき」及び「年金受給額の減額の程度や時期の見込みについて、今後の推計を示すべき」とは考えていない。

 加えて、「公的年金シミュレーターでマクロ経済スライドを反映させた推計額が表示されるように変更すべき」との御指摘については、「公的年金シミュレーター」の利用者は、一般に、年金を受給するまで相応の期間があるところ、試算年度の翌年度以降の期間の「マクロ経済スライド」も「反映」した年金額を試算するためには、試算年度の翌年度以降の物価や賃金等について年度ごとに一定の仮定を置いて試算する必要があることから、利用者の働き方等に対応した将来受け取る年金額を利用者自らが簡単な入力で試算し、表示することとしている「公的年金シミュレーター」の趣旨に照らすと適当ではないと考えている。

 なお、年金額の推計に関しては、令和六年七月三日の第十六回社会保障審議会年金部会の資料一「令和六(二〇二四)年財政検証結果の概要」において、「所得代替率及びモデル年金の将来見通し」等を示しているところである。