第217回国会(常会)
内閣参質二一七第四二号 令和七年三月七日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員神谷宗幣君提出国際機関における我が国の歴史及び文化の情報発信等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出国際機関における我が国の歴史及び文化の情報発信等に関する質問に対する答弁書 一について 御指摘の「本事案を含む我が国の歴史や文化、伝統に対する偏った主張」及び「既に実施された是正を求める対応」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねの「今後どのように是正を求めるのか」及び「その効果をどのように評価しているのか」についてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、国際社会において、日本の文化、歴史、伝統などに関する我が国の立場及び考え方についての正確な理解の浸透に資する取組を進めてきたところであり、引き続き、このような取組を積極的かつ戦略的に推進していく考えである。 二について 御指摘の「これらの事案の背景には・・・国際機関の審議システムが透明性や公平性を十分確保できていないことが挙げられる」及びお尋ねの「公平性や透明性」の具体的に意味するところが明らかではないため、前段のお尋ねについてお答えすることは困難であるが、政府としては、国際機関において客観的事実に基づく議論等が行われることが重要と考えており、後段のお尋ねの「事実に基づかない情報や偏った主張」については、例えば、国際連合総会における答弁権の行使などを通じ、我が国の基本的立場や取組について正当な評価を受けるべく対外発信に取り組んできたところであり、引き続き、このような取組を進めていく考えである。 三について お尋ねの「国際機関への拠出」に当たっては、例えば、令和六年四月二十六日の衆議院外務委員会において、上川外務大臣(当時)が「外交政策を推進していく上での必要性に加えて、国際機関評価の結果を最大限考慮しつつ、個別具体的に検討しているところであります」と述べているとおりであり、引き続き、このように取り組んでいく考えである。 四について 政府としては、我が国の歴史や文化に関し、国際社会において我が国の立場等が正確に理解されるよう積極的かつ戦略的に対外発信に取り組んできている。具体的には、国際会議等の場や在外公館において我が国の立場等について発信するとともに、外国報道機関により事実誤認に基づく報道が行われた場合には、在外公館や外務本省から速やかに申入れや反論の投稿を実施しているほか、在外公館や外務本省のウェブサイト等による情報発信に努めている。御指摘の「有識者や民間団体との連携」を含め、引き続き必要に応じて適切に対応していく考えである。 五について 御指摘の「歴史認識の相違が国際的な議論や博物館等における展示内容に影響を及ぼ」すの具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねの「佐渡金山」については、政府としては、国際社会において我が国の立場等が正確に理解されるよう国際会議等の場で我が国の立場等について発信してきており、引き続き必要に応じて適切に対応していく考えである。 |