質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第三九号
  令和七年三月七日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員神谷宗幣君提出移民政策及び外国人の受入れに伴う財政・社会負担に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神谷宗幣君提出移民政策及び外国人の受入れに伴う財政・社会負担に関する質問に対する答弁書

一について

 前段のお尋ねについては、御指摘の「政策転換」及び「このような動向」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、また、外国人の受入れに係る課題への対応や制度設計については、各国における課題や制度の内容に応じて様々であるため、一概にお答えすることは困難である。

 後段のお尋ねについては、「政策の効果や影響に係る調査」、「同様に実施」及び「政策の見直し」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、外国人の受入れに係る政策の在り方については、政府としては、例えば、国民の人口に比して、一定程度の規模の外国人を家族ごと期限を設けることなく受け入れることによって国家を維持していこうとする政策は、専門的、技術的分野の外国人を積極的に受け入れることとする現在の外国人の受入れの在り方とは相容れないため、これを採ることは考えていない。

二について

 お尋ねの「先進諸国の例を踏まえ、政府として早急に試算を実施すべき」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、特定技能の在留資格による外国人の受入れについては、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第六十一条の九の規定に基づき法務大臣が定めた「出入国在留管理基本計画」(平成三十一年四月法務省策定)において、「関係行政機関と連携して、受入れ分野における人材不足の状況、特定の地域への集中状況や人材不足が深刻化している地域の状況、在留資格「特定技能」で受け入れられている外国人・・・の在留状況等を正確かつ継続的に把握し、必要な措置について多角的な視点に立って検討していく」こととしていること等を踏まえ、必要な措置について適時適切に判断してまいりたい。

三について

 御指摘の「税や国民健康保険料の未納状況、医療費の未払状況、各種福祉給付(生活保護、児童手当、出産費用等)の受給状況を個別に調査し、公表する」ことについては、外国人の受入れに係る課題への対応や制度設計を行うに当たって、各制度の現状等を踏まえ、その必要性等も含め、その都度検討してまいりたい。

四について

 お尋ねの「保護費支給に関する制度の見直し」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、難民認定申請者に対する保護については、政府として、必要な予算の確保に努めるとともに、限られた予算の中で保護を必要とする者に対する援助を確保できるよう不断の検討を行ってまいりたい。

五について

 前段のお尋ねについては、「各自治体における災害時の外国人支援体制の整備状況」について、網羅的には把握していない。

 後段のお尋ねについては、「統一的なガイドライン」がどのようなものを想定しているのか必ずしも明らかではないが、例えば、避難所に滞在する被災者の生活環境の整備について、「避難生活における良好な生活環境の確保に向けた取組指針」(平成二十五年八月内閣府(防災担当)公表、令和六年十二月改定)、「避難所運営等避難生活支援のためのガイドライン(チェックリスト)」(平成二十八年四月内閣府(防災担当)公表、令和六年十二月改定)等において、要配慮者として外国人も掲げているところである。