第217回国会(常会)
内閣参質二一七第三六号 令和七年三月四日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員神谷宗幣君提出食用赤色三号を始めとする食品添加物の安全性評価と使用規制に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出食用赤色三号を始めとする食品添加物の安全性評価と使用規制に関する質問に対する答弁書 一について 御指摘の「政府は過去五年間に安全性評価を行ったとされている」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、食用赤色三号については、食品衛生法(昭和二十二年法律第二百三十三号。以下「法」という。)第十二条の規定に基づき、昭和二十三年に食品添加物として指定されており、また、令和七年二月十八日に開催された食品衛生基準審議会添加物部会において、食品添加物としての指定を取り消し、又は法第十三条第一項に規定する食品添加物としての使用に係る既存の基準を改正する必要性の有無について議論され、直ちにそれらの必要はないとの結論が得られている。 二について 食品添加物については、我が国と諸外国とでは、その定義や使用が可能な食品の範囲等が異なっていること、また、使用が可能でないことをもって、必ずしも各国において使用を禁止する措置がとられたものであるとは限らず、需要がないなどの理由で使用されていない場合もあることから、お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、我が国においては、一般に、法第十二条の規定に基づき使用が可能なものを指定しており、その指定の可否を判断するに当たっては、食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第二十四条第一項第一号に基づいて行う同法第十一条第一項に規定する食品健康影響評価(以下「食品健康影響評価」という。)及び食品衛生基準審議会における審議結果を踏まえることとし、また、法第十三条第一項の規定により、必要に応じて規格基準を定めている。 三について 御指摘の「日本の食品添加物の安全性基準は、食品添加物公定書によって五年ごとに見直されているとされる」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、食品添加物については、法第十三条第一項の規定により、必要に応じて規格基準を定めているほか、規格基準については、科学的知見に基づき、随時、必要な見直しを行い、食品添加物の安全性を確保している。なお、御指摘の「食品添加物公定書」は、法第二十一条の規定に基づき、法第十三条第一項の規定により規格基準が定められた食品添加物及び食品表示法(平成二十五年法律第七十号)第四条第一項の規定により基準が定められた食品添加物につき当該規格基準及び基準を収載しているものである。 また、御指摘の「緊急の見直しが行われた事例」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、過去五年間において、安全性を理由として、法第十二条の規定に基づく指定を取り消した事例はないと承知している。 四について 御指摘の「食品衛生法第十二条に基づき、厚生労働大臣が使用してよいと定めた食品添加物のうち、他国で禁止されている割合の高い食品添加物」の具体的に意味するところが明らかではないが、二についてで述べたとおり、食品添加物については、一般に、法第十二条の規定に基づき使用が可能なものを指定しており、その指定の可否を判断するに当たっては、食品健康影響評価及び食品衛生基準審議会における審議結果を踏まえることとし、また、法第十三条第一項の規定により、必要に応じて規格基準を定めている。 五について 御指摘の「食品添加物の長期摂取や相互作用に関する研究への助成状況」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、食品添加物に関する調査研究としては、例えば、消費者庁における令和六年度の食品衛生基準科学研究費補助金及び食品衛生基準行政推進調査事業費補助金による食品衛生基準に関する科学研究並びに食品安全委員会における食品健康影響評価技術研究において、食品添加物等を含めた食品の安全性の確保に資する研究事業を実施しており、今後も必要に応じてこうした研究事業に取り組んでまいりたい。 六について 政府としては、食品企業等からの聞き取りにより、加工食品を輸出するに当たって、御指摘の「早見表」に記載されている食品添加物が含まれることが課題となる場合があると承知しているが、個別の食品添加物に関する課題を網羅的には把握していないため、前段のお尋ねについて一概にお答えすることは困難である。また、御指摘の「加工食品の輸出促進の観点から、食品添加物基準を見直す計画」の具体的に意味するところが明らかではないため、後段のお尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、食品添加物については、一般に、法第十二条の規定に基づき使用が可能なものを指定しており、その指定の可否を判断するに当たっては、食品健康影響評価及び食品衛生基準審議会における審議結果を踏まえることとし、また、法第十三条第一項の規定により、必要に応じて規格基準を定めているほか、科学的知見の集積や国際整合性を踏まえ、必要に応じて規格基準を見直すこととしている。 |