質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第三三号
  令和七年二月二十八日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員齊藤健一郎君提出一円硬貨の維持に関する社会的コストと今後の対応に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員齊藤健一郎君提出一円硬貨の維持に関する社会的コストと今後の対応に関する質問に対する答弁書

一について

 前段のお尋ねについては、お尋ねの「一円硬貨の維持に掛かる社会的コスト」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、例えば、御指摘の「製造コスト」については、貨幣の偽造を助長するおそれがあることから、一円貨幣の製造原価を明らかにすることができない。一方で、市中における一円貨幣の流通状況等を踏まえ、必要最小限の枚数を製造しているところである。また、御指摘の「金融機関・商業施設の現金管理コスト」や「自動販売機等の対応コスト」については、一円貨幣の管理を行う金融機関等の業務内容等や自動販売機等の種類に応じて様々であると認識しており、御指摘の「環境負荷・資源コスト」については、その具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、様々な場面において生じていることが想定されるものであり、網羅的な把握を行っていない。

 後段のお尋ねについては、お尋ねの「現金管理に関する金融機関・商業施設の負担軽減」をするための特段の施策は講じていない。

二、三及び五について

 お尋ねの「小額硬貨の廃止」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、一円貨幣については、現在、市中に約三百六十億枚が流通しており、市中の取引において需要があると考えている。そのほか、例えば、五円貨幣についても同様に市中の取引において需要があると考えている。こうした中で、仮に一円貨幣や五円貨幣等の貨幣を廃止することとすると、民間の経済取引に影響を与えると考えられることから、廃止が可能かどうかを含め、これらの貨幣を廃止することは検討しておらず、当該廃止に係る施策についても検討していない。

四について

 お尋ねの「一円硬貨の廃止が消費者や小売業者に及ぼす影響」について、政府として特段の調査や試算は行っていない。