第217回国会(常会)
内閣参質二一七第二四号 令和七年二月二十一日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員神谷宗幣君提出大学における外国人留学生の出身国の偏在と安全保障上の懸念に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出大学における外国人留学生の出身国の偏在と安全保障上の懸念に関する質問に対する答弁書 一について お尋ねの「方針に合致すると考えるのか」、「この状況を偏りがあると認識しているのか」及び「著しい偏りがあるのではないか」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、「多様な国及び地域からの外国人留学生の受入れ」の促進は、文部科学省が開催する「戦略的な留学生交流の推進に関する検討会」が令和五年五月に公表した取りまとめ等を踏まえて実施しており、我が国の外国人留学生の受入れに係る現状については、外国人留学生の出身国及び地域の多様化が進んでいると認識しているところであり、外国人留学生の受入れは、一義的には、各大学において判断されるべきものであるが、政府としては、多様な国及び地域からの外国人留学生の受入れを一層促進することは重要であると考えている。 二について 前段のお尋ねについては、お尋ねの「中国人留学生の増加について問題視しない」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、一般に、外国人留学生の受入れに当たっては、安全保障に関連する機微技術の管理の徹底が重要であると考えており、例えば、令和六年六月二十一日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針二〇二四」において「留学生・外国人研究者等の受入審査強化等の技術流出対策に取り組む」としている。 後段のお尋ねについては、御指摘の「中国人留学生の増加が日本の安全保障に与えるリスク」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 三について 前段のお尋ねについては、御指摘の「対策」及び「成果」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国の大学においては、経済産業省作成の「安全保障貿易に係る機微技術管理ガイダンス(大学・研究機関用)」(以下「本ガイダンス」という。)に沿って、安全保障に関連する機微技術の管理を担当する部署の設置や輸出管理の内部規程の策定等を進めているところ、政府としては、当該部署の設置や当該規程の策定等を行った大学の数が増加する等、各大学における当該技術の管理に関する体制整備が着実に進んでいると認識している。 中段のお尋ねについては、お尋ねの「法令違反・指導の件数及びその内容」の具体的に意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。 後段のお尋ねについては、政府において、当該技術の管理に関する調査を実施しており、その結果を踏まえ、本ガイダンスを周知する等のための文書を発出し、本ガイダンスに沿って、外国人留学生の受入れ、当該受入れに伴う当該技術の提供等について当該技術の管理に関する具体的な手続を定めるよう指導するとともに、当該技術の管理に関する説明会を開催する等して、大学において当該技術の管理が徹底されるよう施策を講じてきたところである。 四について 前段のお尋ねについては、御指摘の「外国人留学生を受け入れることで経営改善を図ろうとするケース」及び「分析・評価」の意味するところが必ずしも明らかではないが、大学における外国人留学生の受入れについては、一義的には、各大学において判断されるべきものであることから、政府としてその理由を個別に把握していない。 後段のお尋ねについては、お尋ねの「このような理由」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、外国人留学生の受入れに当たっては、その理由の如何にかかわらず、安全保障に関連する機微技術の管理の徹底等が重要であると考えており、それらが徹底されるよう説明会を開催する等しているところである。 |