質問主意書

第217回国会(常会)

答弁書

内閣参質二一七第七号
  令和七年二月四日
内閣総理大臣 石破 茂


       参議院議長 関口 昌一 殿

参議院議員浜田聡君提出埼玉県川口市長のクルド人に関する要望等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員浜田聡君提出埼玉県川口市長のクルド人に関する要望等に関する質問に対する答弁書

一について

 御指摘の「不法行為を行う外国人」を「法に基づき厳格に対処(強制送還等)」することについては、政府としては、日本人と外国人が安心して安全に暮らせる社会を実現することが重要であると考えており、関係機関が緊密に連携を図り、不法就労者、不法滞在者等の取締り等に取り組んでおり、退去強制令書が発付された者については速やかに送還することとしている。また、「仮放免者が、市中において最低限の生活維持ができるよう「監理措置」制度と同様に、就労を可能とする制度を構築」することについては、我が国において就労可能な在留資格を有していない被仮放免者に就労を認めることは、在留資格制度の在り方とは相容れないことなどから、相当ではないと考えている。さらに、「生活維持が困難な仮放免者、および監理措置に付される者について、「入国管理」制度の一環として、健康保険その他の行政サービスについて、国からの援助措置を含め、国の責任において適否を判断」することについては、行政サービスには様々なものがあり、一概にお答えすることは困難であるが、例えば、国民健康保険は、社会連帯と相互扶助の理念等に基づき、国籍のいかんを問わず等しく保障を及ぼすべきであるという我が国の社会保険制度の基本的な考え方に照らし、日本国内に住所を有する者に適用することとされ、外国人についても、適正な在留資格を有し、住所を有している場合には、原則として適用対象としているものの、在留資格を有していない「仮放免者、および監理措置に付される者」については、国民健康保険の適用対象とはならないものとしている。

二について

 前段のお尋ねについては、被収容者に対する仮放免の許否については、出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号。以下「入管法」という。)第五十四条第二項に規定する「健康上、人道上その他これらに準ずる理由によりその収容を一時的に解除することを相当と認めるとき」に当たるか否かを判断するに当たり、その生計の維持の見込みについても考慮しているところであり、事案に応じて、適切な運用に努めているところである。

 後段のお尋ねについては、「生活保護費の増加など」の具体的に意味するところが明らかではなく、また、「仮放免者の増加」が「自治体財政」に及ぼす影響の有無及び程度については、個々の状況により様々であると考えられることから、お答えすることは困難である。なお、入管法別表第二の上欄の在留資格をもって在留する者等の一定の外国人に対しては、その生活が困窮する場合、人道上の観点から、生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)による保護に準じた保護が行われているところであるが、在留資格を有していない被仮放免者は、同法による保護に準じた保護の対象とはならない。

三について

 難民調査官を含む入国審査官の増員については、適正かつ円滑な出入国在留管理行政の遂行のため、これまでも、必要な人員の確保に努めてきたところであり、今後とも必要な人員の確保に努めてまいりたい。