第217回国会(常会)
内閣参質二一七第二号 令和七年二月四日 内閣総理大臣 石破 茂
参議院議長 関口 昌一 殿 参議院議員神谷宗幣君提出NHK番組「緑なき島」に起因する事実に基づかない歴史情報の国際的拡散に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。 参議院議員神谷宗幣君提出NHK番組「緑なき島」に起因する事実に基づかない歴史情報の国際的拡散に関する質問に対する答弁書 一の前段について お尋ねについては、日本放送協会(以下「協会」という。)が、令和七年一月二十二日の定例記者会見(以下「定例記者会見」という。)において、お尋ねの「本件番組」における映像について、「現時点において端島炭坑内で撮影されたものであるという確認が得られていない」と述べ、及び「端島炭鉱以外のものであるとの結論に至らなかった」と述べているものと認識している。 一の後段について お尋ねの「世界に誤った歴史情報が拡散している現状」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「本件番組」の映像の使用については、協会が、定例記者会見において、「一部の映像が番組の趣旨とは全く関係ない形で、韓国国内において我々に断りなく使用され」ていると述べているものと認識している。 二について 前段のお尋ねについては、御指摘の「本件調停」は当事者間で成立したものであるため、その具体的内容を把握する立場にないが、協会が、定例記者会見において、お尋ねの「本件調停」における「合意の内容」には、「二千二十一年に元島民の方々にお伝えしたNHKの調査内容に沿った」「現時点において端島炭坑内で撮影されたものであるという確認が得られていないことを認め」ること及び「「島民の会」のメンバー・・・が、NHKに対して「緑なき島」の制作の過程などについて調査を求めず、その他の法律上の請求を放棄するということなどが含まれて」おり、それを「尊重」し、「改めて検証番組を作るということではないのだろう」という旨を述べているものと認識している。 後段のお尋ねについては、お尋ねの「誤った情報の拡散」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではないが、協会が、御指摘の「本件調停」の後においても、一の後段についてで述べた状況に特段の変化があるとは考えていないと認識している。 三、四及び五の前段について お尋ねについては、放送法(昭和二十五年法律第百三十二号)第三条において、放送番組は、法律に定める権限に基づく場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがないとされており、放送番組のお尋ねの「検証」や「是正措置」等は、協会を含む放送事業者の自主自律によって行われるべきものであると考えている。 五の中段及び後段について お尋ねの「理由」の趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「本件声明」は、平成二十七年七月の第三十九回国際連合教育科学文化機関の顕著な普遍的価値を有する文化遺産及び自然遺産の保護のための政府間委員会における日本政府代表団の発言を指すものと考えられるところ、当該発言については、従来の我が国の政府の立場を踏まえたものであり、新しい内容を含むものではなく、御指摘の「「強制労働を認めた」と誤解」又は「解釈」されることのないよう、その立場を政府として繰り返し述べているところであり、引き続き、必要に応じて適切に対応していく。 |