質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第二四七号

いじめ・虐待等に苦しむ子どもたちのSOS相談窓口の乱立問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月二十日

牧山 ひろえ


       参議院議長 関口 昌一 殿



   いじめ・虐待等に苦しむ子どもたちのSOS相談窓口の乱立問題に関する質問主意書

 いじめや虐待を始めとする多くの問題に苦しむ子どもたちからのSOSが省庁の縦割り行政から生じる窓口の乱立により「漏れなく適切に捕捉されていない」懸念があることから、以下質問する。

一 現状の窓口・実態把握

 1 いじめ・虐待等のSOSを受け付ける可能性のある国レベルの主要な窓口(例:文部科学省(二十四時間子供SOSダイヤル等)、こども家庭庁(児童相談所虐待対応ダイヤル一八九等)、警察(♯九一一〇等)、その他関係機関)を全て列挙し、それぞれの管轄省庁、設置根拠、年間相談件数、通告件数、重複対応件数の直近三年間の推移を明らかにされたい。

 2 前記窓口間における情報共有システムの有無、具体的な共有方法(様式、頻度、対象情報)及び共有上の課題について具体的に説明されたい。また、地方自治体レベルの窓口と国の窓口間における同様の課題について説明されたい。

二 縦割りによる捕捉漏れ・対応遅延の懸念

 1 省庁間の連携不足や窓口の乱立が、SOSの「捕捉漏れ」(どの窓口にもつながらない又はつながりにくい)や「対応の遅延・たらい回し」を引き起こしている具体的事例(自治体報告、第三者委員会報告等に基づくもの)は存在するか示されたい。存在する場合、その内容と件数(可能な範囲)を明らかにされたい。

 2 複数の窓口にまたがる事案(例:家庭内での虐待やネグレクトが、学校でのいじめに発展)において、省庁間で責任の所在が不明確となり、対応が停滞した事例は存在するか示されたい。存在する場合、その内容と件数を明らかにされたい。

三 子ども・保護者視点の混乱

 子どもや保護者にとって、状況に応じて適切な窓口を選択することが困難であるとの指摘がある。政府は「窓口選択の困難さ」がSOS発信の障壁になっていることを認識しているか示されたい。認識している場合、その実態把握のための調査結果又は分析内容を示されたい。

四 制度改善への取組と見解

 省庁の縦割りを超えた、より統合的でシームレスなSOS対応システム(例:窓口の物理的・機能的一元化、強力な情報共有プラットフォームの構築、総合調整機関の設置等)を構築する必要性について、政府の見解を示されたい。

五 子どものSOSの漏れのない捕捉

 1 特に、子どもが適切なSOSの窓口を選べていないところが、SOSの捕捉漏れの要因になっている可能性はないか、政府の見解を示されたい。

 2 前記五の1の原因として、現在の電話を始めとするSOSにおいて幼い子どもが覚えにくい番号であることが考えられる。その影響について、政府はどのように考えるか示されたい。

 3 国も自治体も関係なく、子どもの問題に関してのあらゆる相談やレスキューの窓口となる統一した番号を創設すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 4 前記五の3の窓口の番号については、「一二三」や「一一一」のように、幼い子どもでも簡単に覚えやすい番号とすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。