質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第二四一号

ギグワークに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月二十日

水野 素子


       参議院議長 関口 昌一 殿



   ギグワークに関する質問主意書

 フードデリバリーに代表されるギグワークについては、消費者の利便性に資する一方、急拡大の過程で様々な課題が顕在化している。例えば、アプリによる連続的な業務通知やクエスト型の報酬体系について、交通安全意識や適切な労働時間管理を阻害する可能性が指摘されているが、警察庁は自転車事故に占める配達員の割合に関する統計を有しておらず、実態把握が困難な状況にある。加えて、報酬算定アルゴリズムが非公開であるため、ギグワークに係る報酬は不透明であり、社会保険料負担を回避する目的の労働者が増加することによる社会保険制度への悪影響も懸念される。厚生労働省の研究会報告書においてもプラットフォームワーカーの労働者性判断の予見可能性向上が提言されるなど、その保護の在り方が問われている。

 ギグワーカーの労働者性判断、交通安全の確保、社会保険制度への影響等の諸課題は一つの省庁の所管にとどまらない。内閣府は、厚生労働省、警察庁、国税庁、総務省等の関係省庁と連携して諸課題に対応すべきと考えるが、政府の認識を示されたい。また、労働者保護及び公正な取引環境の整備に向け、報酬算定アルゴリズムに関する情報信託機構や第三者監査の義務化を含め、具体的にどのような法整備や政策を推し進めるのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。