第217回国会(常会)
質問第二〇〇号 消防団員の支援に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年六月十八日 塩村 あやか
参議院議長 関口 昌一 殿 消防団員の支援に関する質問主意書 消防団は、地域防災力の中核と位置付けられている。総務省消防庁においては、消防団員(以下「団員」という。)の報酬基準の見直しとともに、入団促進のための広報、企業・大学への働きかけ等の取組を進めてきたところであるが、団員の高齢化や地域社会への帰属意識の希薄化等を背景に団員数は減少を続けている。このような状況の中、消防団の持続可能性を確保する観点から、団員の処遇の一層の改善、団員の高齢化に対応した配慮、長年にわたり活躍してきた団員及び家族に対する敬意と感謝のための取組等について、更に検討すべき課題が残されていると考える。 以上の問題意識を踏まえ、以下質問する。 一 消防団活動は、団員の家族の理解と協力があってこそ成り立つ。私自身も元団員であり、同僚の団員から「博物館や美術館、遊園地等のチケットをいただければモチベーションが上がる」旨の声があったことを令和七年六月九日の参議院決算委員会(以下「当該委員会」という。)において村上総務大臣に紹介したところ、大臣は、「消防団員の御家族に対して表彰状とカタログギフトなどの記念品を授与する表彰制度を設けるなど、いろいろ創意工夫をしている例もあると承知しております。総務省の消防庁では、こうした事例を自治体に周知し、横展開を図っていきたいと考えております。」と答弁した。団員確保のためにも、こうした周知のための通知については速やかに行うべきと考えるが、具体的な発出の予定など今後の方針を示されたい。 二 消防団組織の活性化のためには、若年層の新規加入が強く求められている一方、団員の高齢化が進んでいる現実を踏まえ、身体的負担を軽減する観点から、消防の資機材の操作性の改善及び軽量の消火ホースの導入等を迅速に進めていくべきと考えるが、政府の方針を示されたい。 三 消防操法大会は、消防団の日頃の訓練成果を披露する重要な機会であるが、訓練の頻度や拘束時間の長さなどが団員の負担となっていると指摘されている。私自身も本年、三回の操法大会に出席し、このうち二つの大会で政治家の挨拶中に複数の体調不良者が出たことを目撃したところである。このことについて、当該委員会において、石破総理大臣及び村上総務大臣に対し、「来賓の政治家については、挨拶を行うのではなく、名前の紹介にとどめていただきたい」旨の要望を行ったところ、同僚委員から「与野党ともに理解すべきだ」との応援の声があった。団員の高齢化が進んでいる点を踏まえ、操法大会等の式典における政治家を始めとする来賓等の挨拶に伴う負担の軽減について通知を発出すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 右質問する。 |