第217回国会(常会)
質問第一八七号 中国企業のCMへの日本人タレントの出演に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年六月十三日 浜田 聡
参議院議長 関口 昌一 殿 中国企業のCMへの日本人タレントの出演に関する質問主意書 中国企業ファーウェイ・ジャパンのスマートウォッチ「HUAWEI WATCH GT」シリーズのブランドWeb CMに、日本を代表する著名なタレントである木村拓哉氏が出演し、二〇二五年四月から公開されている。このことは、安全保障や経済的観点から議論を呼んでおり、国民の間に懸念の声も存在する。以上を踏まえて、以下質問する。 一 安全保障上の懸念について 政府は二〇一八年十二月、ファーウェイを含む中国企業の一部製品を政府調達から事実上排除する方針を決定し、重要インフラを担う民間企業にも同様の対応を促している。これは、中国政府による情報収集やスパイ活動にファーウェイ製品が利用される可能性について国際的に指摘されているためである。著名な日本人タレントがファーウェイのCMに出演し、消費者向け製品の認知度や好感度を高めることは、国民に誤った安心感を与え、安全保障上のリスクに対する認識を薄めるおそれがあると考えるが、政府の見解を示されたい。 二 米中関係と日本の立場について 米中間の技術覇権争いの中で、日本は米国と協調し経済安全保障の観点からファーウェイ製品を政府関連システムから排除している。一方で、消費者向け製品は日本市場で販売が継続されている。著名なタレントをCMに起用することにより、ファーウェイの日本市場での浸透が進む可能性がある中、米国との同盟関係や日本の国益とのバランスについて、政府の見解を示されたい。 三 国民への影響及び対応について ファーウェイに対する安全保障上の懸念を背景に、一部の国民からは日本人タレントのCM出演に対し否定的な意見も見受けられる。こうしたCM出演が国民のリスク認識や世論に与える影響をどのように評価しているか、政府の見解を示されたい。また、消費者向け製品の利用に関し、国民への注意喚起や情報提供を行う方針はあるか示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |