質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一七三号

相談支援制度の構造的課題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月十日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   相談支援制度の構造的課題に関する質問主意書

 令和七年五月十八日、公益社団法人「日本駆け込み寺」の元事務局長である田中芳秀容疑者が東京都新宿区でコカインを所持していたとして麻薬取締法違反の疑いで現行犯逮捕された。同行していた女性もコカイン使用の疑いで逮捕されており、田中容疑者から薬物を勧められたと供述している。

 「日本駆け込み寺」は、東京都の「若年被害女性等支援事業」の補助事業者として、令和五年度には約二千四百万円、令和六年度には約三千百万円の補助金を交付されていた。しかし、当該事件を受けて、新宿区は補助金を交付しない考えを示した。また、警視庁は同年五月二十二日に「日本駆け込み寺」及び関連団体である「青母連」の事務所を家宅捜索した。

 当該事件は、支援を必要とする立場にある国民の相談意欲を損ない、相談支援制度全体に対する信頼を著しく毀損するものである。また、当該事件を契機に、公的支援事業を民間団体に委託・補助する現行制度の構造的リスクが露呈しており、政府による抜本的な見直しが求められている。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 田中容疑者の逮捕により、国民の間に相談支援制度への不信感が広がっているが、これに対してどのような措置を講ずる予定か、政府の見解を示されたい。

二 当該事件により、民間団体への補助・委託という仕組みに内在していた構造的リスクが露呈したと指摘されているが、公的支援事業を民間団体に委託・補助する現行制度について、政府の評価を示されたい。

三 公的な相談支援事業を民間団体に任せることを段階的に廃止し、政府ないし自治体が直接運営する仕組みに移行すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。