質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一七一号

相談事業を民間団体に委託するリスクに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月十日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   相談事業を民間団体に委託するリスクに関する質問主意書

 令和七年五月十八日、公益社団法人「日本駆け込み寺」の元事務局長である田中芳秀容疑者が東京都新宿区でコカインを所持していたとして麻薬取締法違反の疑いで現行犯逮捕された。同行していた女性もコカイン使用の疑いで逮捕されており、田中容疑者から薬物を勧められたと供述している。

 田中容疑者は「日本駆け込み寺」以外にも、一般社団法人「青母連(青少年を守る父母の連絡協議会)」の共同代表理事を務めていた。青母連は、ホストクラブの売掛金問題などに悩む若年女性やその家族からの相談を受ける活動を行っているとされているが、その実態については不透明な部分も多い。SNS上では、青母連も公的補助を受けて相談支援を行っていた可能性があると指摘されている。青母連に対する公金の支出があった場合には、その使途やガバナンスの実態について、速やかな調査と説明責任が求められる。警視庁は田中容疑者の逮捕を受けて「日本駆け込み寺」及び「青母連」の関係先に対して家宅捜索を実施したと報道されている。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 田中容疑者が共同代表理事を務めていた「青母連」について、調査ないし検査が完了するまで相談事業を停止する必要性があると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 公益社団法人「日本駆け込み寺」における事件の発生要因及び防止措置について、政府の見解を示されたい。また、現在、都道府県(補助事業者)を介して民間団体へ補助ないし委託をしている相談事業について、委託団体における相談実態の調査及び委託団体の運営実態の調査を速やかに行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。