質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一六六号

外交儀礼上の贈呈品の選定基準に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月十日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   外交儀礼上の贈呈品の選定基準に関する質問主意書

 令和七年四月二十三日、赤澤亮正経済再生担当大臣がジョージ・グラス新駐日米国大使にウイスキー「倉吉十八年」を贈呈したとの報道があった。この贈呈行為自体は日米友好の文脈において評価されるべきである。しかし、当該ウイスキーはスコットランド産原酒を主体としたバルクウイスキーであり、いわゆる「ジャパニーズウイスキー」としての文化的・技術的背景を欠くとの指摘が専門家や愛好家から上がっている。

 日本のウイスキーは国際的に高く評価されている。「山崎」、「余市」、「白州」などの伝統的蒸留所や、「イチローズモルト」、「嘉之助」、「桜尾」などの新興蒸留所のウイスキーは、日本固有の技術・風土・職人文化の結晶として、文化的ブランドを形成している。

 こうした背景を踏まえ、外交儀礼上の贈呈品としての選定プロセス及び公的文化認証に基づく基準について、以下質問する。

一 駐日米国大使への贈呈品として、スコットランド産原酒を主体とした「倉吉十八年」を選択した理由を示されたい。また、「倉吉十八年」を選択したことの妥当性について政府の見解を示されたい。

二 外交儀礼上の贈呈品の選定に当たり、政府は贈呈品の文化的・技術的背景に関して調査・確認を行っているか示されたい。また、贈呈品の選定基準の有無を示されたい。

三 日本洋酒酒造組合が令和七年三月から運用を開始した「ジャパニーズウイスキー」の自主基準及び表示ロゴマーク制度について、その周知・推進に係る政府の取組状況を明らかにされたい。

四 日本文化を体現する酒類(ウイスキー・日本酒・焼酎等)について、外交儀礼上の贈呈品としての選定基準を設ける予定はあるか示されたい。選定基準を設ける予定がある場合、その策定主体、予定時期及び内容等を示されたい。

五 外交儀礼上の贈呈品の選定に関し、文化庁、経済産業省、観光庁などの関係所管省庁と連携した文化価値評価制度の導入を検討する予定はあるか示されたい。既にそのような取組が実施されている場合、その概略を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。