質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一五八号

衆議院議員の後援会関係者による電柱検査詐欺事件及び国の委託制度に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月九日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   衆議院議員の後援会関係者による電柱検査詐欺事件及び国の委託制度に関する質問主意書

 広島県警は令和六年五月、いわゆる「電柱検査詐欺事件」において、男女四名を詐欺容疑で逮捕した。加害者らは「経済産業省から委託された」と虚偽の説明を行い、「電柱検査事業の県代表になるには権利金が必要」として金銭を詐取したとされている。

 この事件の中心人物とされる者は、石橋林太郎衆議院議員(自由民主党・無所属の会所属、比例代表中国ブロック選出)の後援会「国琳会」の顧問を長年務めていた人物であることが、令和六年二月二十二日の衆議院予算委員会の国会答弁で明らかとなっている。同人物は、詐欺行為が継続していた令和二年以降も、石橋議員の政治資金パーティー券を購入していたことが同委員会で指摘されている。石橋議員はこれに対し、「全て返金をしておるところが事実であります。」と述べているが、政治家の後援会関係者が組織的詐欺事件の中核であった事実は、詐欺事業に一定の「信頼の看板」を与えた可能性を否定できない。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 経済産業省の対応と被害防止策

1 経済産業省は当該詐欺事件について、令和元年以降にどのような注意喚起・周知活動を行ってきたか示されたい。

2 「全国非破壊検査協会連合会」と称する団体に対し、経済産業省が委託・登録・助成等を行った事実があるか否か示されたい。

3 前記2の団体や関係者に対し、事実関係の照会又は警察との情報連携を行った時期及び方法を示されたい。

二 政治家の関与と信頼性への影響

1 石橋議員の後援会の顧問であった人物が国からの委託事業であると虚偽の説明をして金銭を詐取していた事実について、政府の見解を示されたい。

2 国民からの誤信を防ぐため、政治家の後援会関係者による公共事業名目の活動について、何らかの通報制度や行政監視体制を整備すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

3 当該詐欺事件においては、政治家の名義や後援会との関係が「信頼の看板」として利用された可能性がある。これについて、政府は政治倫理的問題があると考えるか示されたい。

三 制度的改善と情報公開

1 今後、国の委託・登録事業に関する「正式事業者リスト」を一般向けに公開し、悪用防止を図るべきと考えるが、政府の見解を示されたい。既に存在している場合、当該リストについて、省庁別に示されたい。

2 省庁名を騙った詐欺が発覚した場合、地方自治体や商工団体等を通じた緊急注意喚起の仕組みがあるべきと考えるが、そのような仕組みを構築する考えはあるか示されたい。既に存在している場合、当該仕組みについて、省庁別に示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。