第217回国会(常会)
質問第一五二号 日本最南端に位置する沖ノ鳥島への航空拠点整備に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年六月五日 浜田 聡
参議院議長 関口 昌一 殿 日本最南端に位置する沖ノ鳥島への航空拠点整備に関する質問主意書 令和七年五月二十八日に公開されたYouTube番組「ニッポンジャーナル」において、東海大学海洋学部教授の山田吉彦氏は、沖ノ鳥島が日本の排他的経済水域(以下「EEZ」という。)の基点であるにもかかわらず、十分な管理が行き届いておらず、将来的には中国に軍事的・経済的拠点として狙われる可能性があると指摘した。その上で、同島への航空拠点(滑走路等)の整備を提案している。同番組では、同島が長さ四・五キロメートル、幅一・七キロメートル程度の浅瀬であり、メガフロートも含めて滑走路の建設が技術的に可能な地形であることや、現在も海洋観測施設や実験的利用(サンゴ礁のバイオ実験等)が行われていることも紹介された。 このような地政学的状況や技術的条件を踏まえ、国家主権の象徴たる沖ノ鳥島の実効支配をより強化し、将来的な軍事的脅威に備えるため、恒常的な拠点整備が急務と考える。 これらを踏まえて、以下質問する。 一 沖ノ鳥島は現在、国際海洋法条約における「島」として日本のEEZの基点となっているが、その地形的・法的根拠について政府の見解を示されたい。 二 沖ノ鳥島の地質・面積・高低差等に関する調査結果を政府は有しているか示されたい。また、滑走路の建設が技術的に可能であると判断したことはあるか、過去の検討状況を示されたい。 三 沖ノ鳥島には既に観測施設や消波ブロック等が設置されているが、これまでに行われた政府による施設整備の内容及び予算規模を年度別に示されたい。 四 沖ノ鳥島の周辺海域に対する中国等の海洋進出の動きについて、政府はどのように把握しているか示されたい。また、過去五年間の中国船の接近又は示威行動の件数等を示されたい。 五 現在、沖ノ鳥島周辺に有事・自然災害が発生した場合における航空・海上からの即応体制について、飛行機・艦艇の出動基地及び所要時間を示されたい。 六 沖ノ鳥島における滑走路又は短距離航空機が発着可能な施設の整備の必要性について、現時点での政府の見解を示されたい。また、安全保障・科学研究・災害対応・海難救助等の多目的活用を想定した議論を行う必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |