質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一五一号

補助金不正事案等に対する総務省の告発及び監督責任に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月五日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   補助金不正事案等に対する総務省の告発及び監督責任に関する質問主意書

 京都新聞は令和六年八月七日、京都府笠置町の職員が令和二年度の町移住促進住宅整備事業の補助金申請を怠り、同年十二月に移住者に対し私費で百七十九万円を立て替える不適切な事務処理をしたことを報じた。また、笠置町では、総務省所管の平成二十八年度過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業(以下「支援事業」という。)において、国から支援金を交付された支援事業の一部が未実施であることが確認された。そのため、総務省は令和二年二月二十一日、支援事業が実施されなかった経費に係る交付金(千百七十八万五千四百十八円)の交付決定を取り消し、当該交付金の返還を命じている。

 両事案には同一の職員が関与したとの情報がある。平成二十八年度の事案において虚偽報告などの悪質な事務処理を行ったにもかかわらず刑事処分が見送られた結果、当該職員による不適切な行為が繰り返されたとの懸念が生じている。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 笠置町が提出した支援事業の実績報告書等に虚偽があったことを総務省は認定している。これらの問題について、総務省は、補助金等適正化法第十七条、刑法第百五十六条(虚偽公文書作成等)、刑法第二百四十六条(詐欺)、刑法第二百四十七条(背任)違反等の疑いで警察・検察に対し告発や通報を行ったか示されたい。告発や通報を行っていない場合、その判断に至った理由を示されたい。

二 虚偽報告があった支援事業に対するコンサルタント費用、報告書作成費用等の全額(五百八十万円)が補助対象として認められている。その全額を認めた理由について、根拠となる判断基準や確認方法を具体的に示されたい。

三 補助金等適正化法第十七条違反が認められるなど重大な不正が発覚した場合、総務省内で刑事告発の可否を検討する内部規程や基準は存在するか示されたい。存在する場合、規程名及び運用部署を示されたい。存在しない場合、不正発覚時の告発要否をどのように判断しているか、具体的な手続を明らかにされたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。