質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一四二号

管理不全・住民不在マンションへの制度的対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年六月三日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   管理不全・住民不在マンションへの制度的対応に関する質問主意書

 東京都中央区「晴海フラッグ」の分譲マンションでは、住民票の未届出、空室が多いことや外国人所有者との連絡が困難であることなどから、管理機能が著しく低下しているとの指摘がある。特に、所有者が居住せず名義のみ登録している「不在地主」状態や、マンション管理組合(以下「管理組合」という。)の運営が著しく制限されている実態が報告されており、将来的な管理不全リスクが懸念される。これらの課題は、晴海フラッグに限らず、全国の大規模マンション再開発地区にも同様に波及し得るものであり、国として制度的な対応や予防策が必要であると考える。

 以上を踏まえて、以下質問する。

一 晴海フラッグにおける住民票未届出住戸又は空室住戸の比率に関して、国又は自治体は把握しているか示されたい。把握している場合、当該比率を具体的に示されたい。

二 実際に居住していない所有者が管理組合の総会や決議に参加しないことにより、マンション全体の管理運営に支障を来している事例について、政府の把握状況を示されたい。

三 外国人や外国法人所有者の意思不通や管理組合の活動への不参加によって、管理組合の運営が機能不全に陥るリスクについて、政府の見解を示されたい。

四 晴海フラッグにおいて、管理組合が無許可の民泊営業、外国人による無許可旅客運送及び「不在地主」対応に苦慮している実態に対し、国として何らかの支援制度・助言体制を整備しているか示されたい。整備していない場合、早急に整備する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

五 「不在地主」状態の物件や居住実態のない物件の増加に対応するため、居住義務制度など、新たな規制措置を検討する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。規制措置等を検討している場合、検討状況を明らかにされたい。

六 マンションを不動産投資目的で購入することによる「収益装置化」、外国人や外国法人所有者の意思不通や管理組合の活動への不参加により、マンション管理の合意形成が困難となる「管理崩壊」などの事例が全国的に増加していると思料する。このような状況への対策として、政府として包括的な制度パッケージを策定する考えはあるか示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。