第217回国会(常会)
質問第一一五号 マイナンバーカードの券面デザインに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年四月三十日 齊藤 健一郎
参議院議長 関口 昌一 殿 マイナンバーカードの券面デザインに関する質問主意書 マイナンバーカードについては機能性の向上が図られている。一方、その券面デザインの在り方については、引き続き国民の関心が高まっている。デジタル社会の中核を担う公的な身分証明書として、単に機能的であるだけでなく、「持ちたい」、「人に見せても恥ずかしくない」デザインであることも重要な要素の一つであると思料される。 次期マイナンバーカード(以下「次期カード」という。)については、ユニバーサルデザインの考え方が取り入れられ、文字サイズやフォントの調整等、読みやすさ・使いやすさへの配慮がなされている点は評価すべきと考える。しかし、券面には明朝体とゴシック体が混在する等、視認性・統一性の観点からは意見が分かれる余地がある。また、現行のマイナンバーカード(以下「現行カード」という。)と同様、住所変更時の券面上書き印刷部分は視認性に乏しく、印刷の劣化が生じ不鮮明になりやすいという課題も依然として残されていると思料される。将来的にマイナンバーカードが他の身分証明書を代替する方向性であることを踏まえ、国民の生活により密着した「公共デザイン」という点で質的向上が求められる。 以上を踏まえて、以下質問する。 一 次期カード以降の券面デザインは改善すべきと考えるが、どのような方針の下で設計が進められているか。読みやすさやシンプルさへの配慮に加え、視認性や審美性、若年層の受容性等も含めた観点からの改善点や留意点について具体的に示されたい。 二 現行カードにおいて、住所変更時の券面上書き印刷部分が見えにくい・消えやすいといった課題が指摘されているが、次期カードにおいてこの課題への対策は行われているか示されたい。 三 行政担当部局がマイナンバーカードのデザイン修正や調整に関与する場合、専門性の乏しい意見により完成度が損なわれることを防ぐための体制は整備されているか、デザイン等に関する専門的見地を持つ人材の関与を強化する考えはあるか示されたい。また、今後、デザイン等に関するガバナンスの強化や、国民からの券面デザインの公募が必要と考えるが、政府の見解を示されたい。 四 政府は、次期カードについて「日本の国民カードにふさわしい、誰もが持ちたくなる魅力的なデザインを実現」するとしているが、実際には、「券面がダサい」、「人前で出すのが恥ずかしい」といった声が少なからず見受けられる。デザインの好みには個人差があるものの、他の公的証明書(運転免許証等)ではこのような意見が余り見受けられない。以上を踏まえ、マイナンバーカードのデザインに対する社会的評価や実使用上の印象をどのように把握し、今後の改善にどういかしていくのか、政府の認識及び方針を明らかにされたい。 右質問する。 |