質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第一一四号

AV出演に係るスカウトバック対策の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年四月三十日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   AV出演に係るスカウトバック対策の在り方に関する質問主意書

 第二百十七回国会において政府から提出された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営適正化法」という。)の一部を改正する法律案」(以下「改正案」という。)においては、いわゆるソープランド、ファッションヘルス、デリバリーヘルスを営む事業者に対して、異性の客に接触する役務を提供する業務に従事しようとする者を紹介する者に紹介の対価として金銭等を提供すること、いわゆるスカウトバックを禁止する旨の規定を追加したものと理解している。

 他方、「性をめぐる個人の尊厳が重んぜられる社会の形成に資するために性行為映像制作物の出演に係る被害の防止を図り及び出演者の救済に資するための出演契約等に関する特則等に関する法律」(以下「AV新法」という。)に規定する性行為映像制作物(以下「AV」という。)出演に係るスカウトバックに関しては、令和七年四月三日の参議院内閣委員会において、AV出演へのスカウト行為が職業安定法第六十三条第二号に抵触する可能性がある旨、政府から答弁があった。一方、AV出演に係るスカウトバックに関しては、風営適正化法においてAVの制作公表者等が規制されていないことを理由に改正案の対象に含めないこと、AV出演に係るスカウトバックを規制する場合はAV新法の枠組みの中で検討されるべきものであるとの認識が政府から示された。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 職業安定法第六十三条第二号の政府解釈について

 1 AV新法における制作公表者(以下「制作公表者」という。)に対し、AVへの出演をしようとする者(以下「AV出演希望者」という。)を探索し、AV出演希望者にAVに出演するように推奨し、これに応じた者をあっせんする行為は、職業安定法第六十三条第二号に抵触するか、政府の見解を示されたい。

 2 AV出演希望者に対してAV出演の募集情報を提供すること及びAV出演希望者の情報を制作公表者に提供することは、職業安定法第六十三条第二号に抵触する可能性があるか示されたい。可能性がある場合、どのような要件において抵触するか、その詳細を示されたい。

二 制作公表者が、AV出演希望者を紹介又はあっせんする者に対し、AV出演希望者の紹介又はあっせんの対価として金銭等を提供する行為(以下「AV出演に係るスカウトバック行為」という。)について、抵触する法令又は当該行為を規制する法令は存在するか示されたい。存在する場合、その内容を全て示されたい。

三 AV出演に係るスカウトバック行為の実態及び対策について

 1 政府は、AV出演に係るスカウトバック行為に関する実態調査をこれまで行ったことがあるか。ある場合は、その詳細を全て示されたい。

 2 政府は、AV出演に係るスカウトバック行為を新たに規制する考えはあるか、理由と併せて示されたい。

 3 前記三の2について、新たに規制する考えがない場合、政府は、AV出演に係るスカウトバック行為について、何らかの対策を講ずる考えはあるか。理由と併せて示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。