第217回国会(常会)
質問第一○六号 原発避難計画策定に係る会議の議事録作成及び公開に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年四月二十五日 山本 太郎
参議院議長 関口 昌一 殿 原発避難計画策定に係る会議の議事録作成及び公開に関する質問主意書 原発避難計画について自治体と内閣府防災の担当者が情報交換・意見交換する会議である「道府県原子力防災担当者連絡会議」(以下「道府県会議」という。)の議事録を作成しない理由について、伊藤原子力防災担当相(当時)は参議院環境委員会(令和五年十一月十六日)において、①「関係道府県の実務担当者から忌憚のない意見等を妨げる懸念がある」、②「行政文書の管理に関するガイドラインに基づき、道府県会議の議事録について作成する必要がないものと判断し」たことの二つの理由を挙げた。 しかし、内閣府原子力防災から私に対して令和七年一月二十日に提供された「道府県会議」の資料を見ると、平成二十六年度第一回道府県会議から第三回道府県会議までは全ての発言を文字起こししたと思われる議事録(逐語録)を作成しているほか、平成二十七年度第一回道府県会議から平成三十年度第一回道府県会議までは議事概要を作成している。 一 平成三十年度第二回道府県会議以降、議事概要を作成しなくなった理由及び議事概要作成をやめる契機となった事実を示されたい。 二 平成二十六年度第一回道府県会議から第三回道府県会議までの議事録を作成したことによって、同会議における道府県担当者や政府担当者の「忌憚のない意見等を妨げる」ことになった事実があれば示されたい。 三 令和六年度以降、「道府県会議」は開催されておらず、代わって「原子力防災実務担当者連絡会」(以下「担当者連絡会」という。)が開催されている。 1 「道府県会議」及び「担当者連絡会」について、形態、議題設定及び参加者構成の違いを示されたい。 2 「担当者連絡会」について、開催する契機となった事実を示されたい。また、市町村からの参加要望を受けて「道府県会議」から会議構成や名称を変更した場合、当該市町村名、参加要望を受けた時期及び具体的な内容などその経緯を詳しく示されたい。 3 「道府県会議」の名称と比較して、「担当者連絡会」の名称に「実務」との言葉が付け加えられている理由、「会議」ではなく「会」とした理由を示されたい。また、この名称変更の理由に議事録の不作成との関係がある場合、説明されたい。 四 内閣府ホームページに掲載されている東海第二地域原子力防災協議会作業部会(以下「作業部会」という。)第十一回作業部会(令和四年三月四日実施)の議事概要は一ページで概要部分は約十行であった。しかし、ジャーナリストの日野行介氏による内閣府原子力防災担当参事官(地域防災担当)への聞き取り取材(令和五年四月七日)後に、内閣府ホームページに掲載された第十二回作業部会(同年三月二十八日実施)の議事概要は二ページで概要部分は約三十行であった。さらに、私が参議院東日本大震災復興特別委員会(同年四月十九日)で作業部会について質疑した後に実施された第十三回作業部会(同年八月一日)の議事概要は四ページで概要部分は約百行であった。 このように、「作業部会」の議事概要を大幅に増やした理由及び契機となった事実があれば示されたい。また、前記の日野氏の取材及び私の質疑を受けて、「作業部会」の透明性向上を必要と判断したのか、政府の見解を明らかにされたい。 五 「道府県会議」、「担当者連絡会」及び「作業部会」は、原子力防災(避難計画)をテーマに内閣府原子力防災担当が主催し、道府県の実務担当者が主たる構成員である点で共通している。 しかし、「作業部会」については内閣府ホームページ上で公表する議事概要を大幅に増やした一方、「道府県会議」については平成三十年度第一回会議まで逐語録まで作成していたにもかかわらず、以後、議事概要さえ作成しなくなった。「担当者連絡会」については議事概要さえ作成されていない。 透明性の向上が上辺だけではないのであれば、これら全ての会議において、録音を取った上で詳細な議事録を作成し、情報公開請求を受ければ開示すべきと考える。議事録作成が業務量の負担を考えて難しいのであれば会議を公開で実施すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。 右質問する。 |