質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第九九号

公立病院への繰出金の根拠と公平性に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年四月十六日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   公立病院への繰出金の根拠と公平性に関する再質問主意書

 私が提出した「公立病院への繰出金の根拠と公平性に関する質問主意書」(第二百十七回国会質問第四四号)に対する答弁(内閣参質二一七第四四号。以下「答弁書」という。)を踏まえ、以下のとおり質問する。

一 「採算性確保の上で難しい医療」の定義及び実態について

 答弁書では、「採算性確保の上で難しい医療等を担っている」ことが公立病院における繰出金の根拠とされているが、どのような医療が「採算性確保の上で難しい医療」に該当するのか具体性に欠けている。

 1 政府は「採算性確保の上で難しい医療」について、具体的な要件定義及び主にどのような医療が該当するのかを明確に示されたい。

 2 前記1について、該当するとされる医療分野(例えば、救急、小児、周産期及びへき地医療等)ごとに、収支の状況、診療報酬による採算性、患者数等、「採算性確保の上で難しい医療」であることの統計的根拠を提示されたい。

 3 前記1について、「採算性確保の上で難しい医療」を民間病院でも担っている可能性が高いが、民間病院で行われている「採算性確保の上で難しい医療」について、その担い手や医療提供の実態は把握しているか示されたい。また、把握している場合には、実態調査等の根拠資料及びその概要を示されたい。

 4 前記3について、公立病院のみ「採算性確保の上で難しい医療」を担っているという趣旨の政策判断がある場合には、その根拠となるデータ又は政策文書を明示されたい。

二 「繰出基準」の明確性と運用実態について

 答弁書では、地方公共団体が「繰出基準」に基づいて繰出金を行っている旨答弁しているが、その「繰出基準」の具体的な内容は明示されていない。

 1 地方公共団体の「繰出基準」について、政府は具体的な内容を把握しているか示されたい。

 2 前記二の1について把握している場合には、現在の「繰出基準」はどのような条件・評価基準に基づき繰出金が認められるのか、具体的な内容を示されたい。また、「繰出基準」に関する公表資料や通知文書があれば、それを提示されたい。

 3 現在の「繰出基準」が同規模の民間病院と比較して著しく高額となっているという実態があるが、政府は把握しているか示されたい。また、この実態に対して、政府の見解を示されたい。

 4 「繰出基準」が不明確であることで赤字補填的な繰出金が慣例的に行われていると思料するが、政府は「繰出基準」のモニタリング及び評価において実態把握を行っているのか示されたい。また、行っている場合にはその詳細を示されたい。

三 公立病院の再編・統合・民営化に関する進捗と方針について

 令和元年に厚生労働省が再編・統合の必要性があるとして名指しした公立・公的病院(以下「再編・統合の必要性がある病院」という。)について、その後の再編・統合・民営化に関する進捗状況が国民に十分に示されているとは言えないと考える。

 1 再編・統合の必要性がある病院別に、再編・統合・民営化の目的別の達成・進捗状況を具体的に示されたい。

 2 前記三の1について、達成・進捗状況は順調か、想定よりも進んでいないと捉えるか、政府の見解を示されたい。

 3 前記三の2について、再編・統合・民営化の進捗が芳しくない場合の要因分析の結果及びその対応策を示されたい。

 4 持続可能性や効率性の観点から、政府が考える再編・統合・民営化を含めた今後の公立病院の在り方及びそれに基づく具体的な政策方針を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。