第217回国会(常会)
質問第七四号 第二回日中ハイレベル人的・文化交流対話において言論空間における政府による言論規制を取り決めたとの指摘に関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 令和七年三月二十八日 浜田 聡
参議院議長 関口 昌一 殿 第二回日中ハイレベル人的・文化交流対話において言論空間における政府による言論規制を取り決めたとの指摘に関する質問主意書 令和六年十二月二十五日、岩屋毅外務大臣(日本側議長)及びあべ俊子文部科学大臣は、訪問先の中国において、王毅外交部長(中国側議長)、孫業礼文化旅遊部長等と第二回日中ハイレベル人的・文化交流対話を実施した。当該対話について、外務省はホームページで概要を公表しており、中国側も「中日高級別人文交流磋商達成十項共識」(中国語(簡体字)は日本の漢字で記載。以下同じ。)として公表している。当該対話について、以下質問する。 一 当該対話の内容について、外務省ホームページで公表されている概要は中国と合意したものか。合意したものとそうでないものを全て示されたい。 二 当該対話に係る中国側の公表では、タイトルに「共識」という言葉が用いられている。「共識」とは、九二共識で知られるとおり、「合意」を意味するものとの指摘がある。この指摘に対する政府の見解を示されたい。また、当該対話において合意されていない内容について、中国側が合意したものとして公表しているのであれば、訂正を求めるべきと考えるが、政府の見解を示されたい。 三 当該対話に係る中国側の公表内容のうち、特に「七是加強媒体、智庫交流合作、在双辺関係中発揮積極作用、着力改善民意和輿論環境。支持双方開展新媒体交流合作、鼓励両国正能量網絡創作者相互交流。」、すなわち「メディアとシンクタンクの交流・協力を強化し、両国関係において積極的な役割を果たし、世論と世論環境の改善に努める。双方はニューメディアの交流と協力を支援し、両国の積極的なインターネットクリエイターの交流を奨励する。」と和訳される箇所が問題であるとの指摘が多くみられる。具体的には、「正能量」が「インターネット上の言論空間において政府が良い悪いを判断すること」という意味であり問題である旨指摘されている。仮に「共識」の意味が「合意」ではなく「共通認識」であったとしても大きな問題であると考える。 1 政府は、インターネット上のみならず全ての言論空間において、政府が良し悪しを判断し、政府にとって都合の良い情報を奨励し、都合の悪い情報を規制する考えがあるのか。政府の見解を示されたい。 2 民主主義における世論や言論空間の在り方について、政府の見解を示されたい。 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。 右質問する。 |