質問主意書

第217回国会(常会)

質問主意書

質問第六五号

公的医療保険におけるいわゆる低価値・無価値医療を特定する仕組みの有無等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  令和七年三月十八日

浜田 聡


       参議院議長 関口 昌一 殿



   公的医療保険におけるいわゆる低価値・無価値医療を特定する仕組みの有無等に関する質問主意書

 一般的に、低価値医療は価格に見合うだけの健康増進効果がない医療サービス、無価値医療は患者の健康増進に寄与しないというエビデンスがある医療サービスのことを指す。医療の質を向上させ、無駄な医療費を削減するために、低価値・無価値医療の削減が世界的な課題となっている。我が国においても、近年、医療経済学や保健医療分野において、低価値・無価値医療が多く存在することが指摘されている。限られた公的医療保険財源を適切に活用し、より有効な医療サービスへと財源を振り分けるためには、低価値・無価値医療を特定し、公的医療保険の適用範囲を見直す必要があると考える。

 以上を踏まえ、以下質問する。

一 公的医療保険において、低価値・無価値医療を特定する仕組みは制度上存在するか示されたい。また、現行の診療報酬体系や医療技術評価の仕組みの中で、これらを明確に特定し、管理する制度があるか示されたい。

二 低価値・無価値医療を公的医療保険の適用範囲から除外するための仕組みは制度上存在するか示されたい。存在しない場合、新たに仕組みを設けることについて政府の見解を示されたい。

三 今後、公的医療保険における低価値・無価値医療を適正に評価し、除外する制度を構築すべきと考える。その際、科学的根拠に基づいた評価基準を設け、客観的かつ透明性の高い手続を整備すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

四 低価値・無価値医療の特定と管理のために、必要なデータを整備・公開すべきと考える。保険診療データや臨床評価データを収集・分析することで、適正な医療サービスの提供を促進できると考えるが、政府の見解を示されたい。

五 利益相反のない第三者によるアドバイザリーボードを設置し、低価値・無価値医療の特定及び公的医療保険適用の見直しを進めるべきと考える。政策決定に当たって、医療提供者や製薬業界等との利害関係のない専門家を含む独立した評価機関を設置することについて政府の見解を示されたい。

六 前記三~五と同様の取組を介護分野においても進めるべきと考える。介護保険制度においても、効果が乏しいサービスや過剰なケアが行われている。介護分野においても、低価値・無価値サービスの特定と見直しを行うべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

 質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

  右質問する。